魔法少女リリカルなのはLOST Battle
四ページ
それを追おうとナンバーズが動こうとした瞬間、ライダーが銃を連射する。嵐の様に一瞬で動きを封じられた。
《スバル・ナカジマ!》
「……」
《…決着を着けようではないか、俺とお前の戦いに》
「何言ってる。全員で…」
「ううん。私が一人で行くよ。皆は手を出さないで」
スバルはライダーの前までウイングロードを走る。目つきは真剣そのもの。硬く拳を握りしめ、今までの悔しさを込める。
《…お前が俺に勝てば、シャドウ達のアジトを教えてやる。俺がお前に勝った場合は見逃せ》
「……うん、分かった」
《…その約束。守ることを誓うか》
「勿論…」
スバルが構える。ライダーはソニックウインドとユニゾンモードになり、エンジンを吹かす。
両足脇の車輪が甲高い音を立て、すぐにでも走り出しそうだ。
「…行くよ相棒」
《Yes.Baddy》
《…………》
スバルとマッハキャリバーは分かっていた。
目前の疾駆者との戦いが、これで最後になるだろうと……。
仲間を思う故に、命を掛けた。
それはスバルも同様だ。
「…約束したんだ、必ず勝つって…!頑張ってくるって…!」
傷つき、今尚治療を受けている憧れたエースに
夢を目指し、共に戦ったパートナーに
空を…最後まで走ると誓った相棒に。
勝利を約束した。
だから、負けられない。
《……行くぞ、スバル・ナカジマ》
「……」
二人の間に、静かな時間が流れ――
やがて、同時に空を駆け出した。
「うぉおおおおっ!!」
《HAAAAAA!!!》
衝撃を纏う拳と、音速を超える拳がぶつかり、爆発する。二人は振り向かず、ただ真っ直ぐ駆け抜けた。
旋回をして再び交差する拳と拳。脚と脚がくり出される。
その度に二人の体は悲鳴を上げていた。
だがそれでも止まらない。止まる訳にはいかなかった。
「でぇぇぇいっ!」
《YAAAAAッ!》
ガァン!ガキン!
響く金属音。スバルが蹴り上げを放つと同時にライダーは体勢を低くしながら回し蹴りで軸足を狙った。
しかし、マッハキャリバーが自動で軸足からウイングロードを発生。その場で宙返りしながら、体を回転させてリボルバーナックルを突き出す。
四肢の車輪が急激な後退を始め、体勢を屈めたままのライダーはスバルの一撃を避けた。
次の瞬間跳ぶ様に回し蹴りをしながらスバルを狙う。
ベルカのシールドで防ぐが、ライダーの足に着いた車輪が噛み付き、離れない。
「うっ……くぅぅ…!」
《ハァッ!》
右足を当てた状態から更に体を横に回転し、左足の踵がシールドを打ち破った。真横になった体を更に両手の車輪でスバルに打ち出す。
「きゃあぁっ!」
突き出した両足がスバルを蹴り飛ばした。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!