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魔法少女リリカルなのはLOST Battle
八ページ
「……管理局の反応は」
《ありません。まだこちらの動きは悟られていないでしょう》

「そうか」
《ですが油断は出来ません。警戒はしてください》
 デバイスの言う通りに管理局の動きを警戒しながら進んでいく。
だが、ケルベロスの言う通り近づく管理局の反応は無い。

その代わり、巨大な野生生物を数匹見掛けた。
砂の中を自由に動く褐色の甲羅を持つミミズのような生物。
襲い掛かってくるような感じはしなかったのでそのまま無視して先へと進む。


気が遠くなるほど歩いた頃にようやく反応が出てきた。

《相当近くまで来ました。もう少しです》
「了解」
再びモニターを出すと、自分のいる位置と目的の座標位置を確認する。
 ほとんど重なるように表示されたので、青年はしゃがみ込むと足元を堀り始めた。

砂を掻き分けるように掘っていくと、手に納まる程小さな琥珀色の宝石が顔を出す。それを拾い上げるとモニターに写し出されている宝石と見比べ始める。

「……間違いないみたいだな。帰るぞ」
《はい。しかし、見付かったようです》
「何?」
ケルベロスの言葉に空を見上げると管理局員が五六人程、杖を構えて待機していた。
円陣を組むようにして取り囲んでいる。

「時空管理局、過去遺物(ロストロギア)捜査隊だ。大人しくしていれば身の安全は保証する。こちらに投降してくれ」

「…………ケルベロス、いけるか?」
《問題ありません》
その言葉に、デバイスを抜く。左ポケットに宝石を突っ込むと、自身を取り囲んでいる一人に銃口を向ける。

一瞬動揺したようだが、すぐさま行動する管理局員。
 青年の足元に三角を二つ、真逆に重ねた魔法陣が現れる。その陣の周りを更に二重の円が囲み、その間に術式を補助する呪文が描かれる。

見たことの無い陣に管理局員達は警戒し、全員が一斉に魔法を放った。

「投降の意思がないのならば…気絶させてでも!」
捜査隊の隊長がそう叫ぶと、隊員達の魔法が襲い掛かる。
派手な土煙を上げ、幾つもの誘導弾が直撃した。

全員が手応えを感じ、事件は終了したかに思われた……が、しかし。

《straight a shot》
「墜ちろ」
土煙を晴れさせる衝撃と、直線に伸びる一発の直射型と呼ばれる砲撃魔法が中から放たれる。

「何ッ!?ぐわぁあっ!」
防御をするも間に合わず、敢えなく一人が撃墜された。

晴れた土煙の中には、ショットガンのデバイスを空に構えたままの青年が立っている。
その足元には幾つもの小さいクレーターが出来ていた。

「まさか…あれだけの数を避けたのか…!」

「……」
無言で睨みながら、更にもう一発。

だが今度は不意討ちと違い、防御魔法で防がれる。

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あきゅろす。
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