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魔法少女リリカルなのはLOST Battle
三ページ
《聞こえているか、応答しろ》
しかし未だ返事は返ってこない。通信は繋がっている。つまり、故意に返事を返さないだけだ。
呆れながらもシャドウは移動して別の部隊へ向かった。




返答しなかったダガー1。

それが、ドクターの製作した『四体目』

三体とは違った、完全な戦闘専用のフレームデバイス。


《ダガー1、敵戦力の完全鎮圧完了…》

紅い機体が遅い返答を返す。所々が白いのは、元の色がそうであるからだ。

紅いのは血。周囲に倒れているのは魔導師。手に持つのは白銀の魔力を帯びた剣。

突き出した両肩、鋭利な両肘両膝。
力強いフォルムのソレはロードに手をくわえた様にも見えるが、全くの別物だ。


ガジェットが数体、ダガー1の居た隊舎にとりつく。

《Blade Crush》
 魔力の衝撃波が一体を爆発させると、隊舎が跡形も無くなる。
剣の魔力刃が消えると、残ったのは柄と鍔だけになった。
それを肩に差し込むとダガー1は移動を始める。

背後で起きた惨状が当たり前のように。







「ぐあぁぁぁっ!?」

《……》

武装局員の一人がロードの大剣で吹き飛ばされ、デバイスを破壊された。肩に大剣型アームドデバイス《ソードランサー》を担ぐ。

「ぐっ……」
傷ついた局員は立ち上がろうにもそのまま気絶した。
うつ伏せに倒れた局員に外傷は無い。ロードが与えたのは魔力ダメージのみのようだ。

《……》
左腕を上げると、隊舎を取り囲むフレーム達。残っている局員達はそれを撃墜させようと必死の抵抗を見せている。
 ロードはそれの結末を見ようとせず、背を向けた。

その直後、爆発と共に隊舎が炎上し、ロードを背中から赤く照らす。飛び散る瓦礫が横を通り過ぎていき、その後を追うようにのんびりと歩き始めた。

《……》
そんなロードの足元に咲いている一輪の花。
どこにでもあるような、なんでも無い花を見つめるロードの顔は相変わらず無機質なままだが、悲しそうに見えた。

そんなロードも移動を始める。自らに課せられた戦う為の使命を果たす為に。









―WARS宿舎

「各地で大規模に展開されてる戦闘やけど、今回はちょっと厄介そうや」
本来ならば今すぐに出動しなければならないにも関わらず、作戦会議を始めるはやて達。
 規模が大き過ぎるのと、敵の動きが早すぎて対応する方法が無いのが現状だった。

ファルドも一応参加しているが、浮かない表情をしている。敵の作戦の展開の仕方に心当たりがあるのだ。

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