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魔法少女リリカルなのはLOST Battle
二ページ
「おおぉぉぉぉぉぉっ!!」
 天に響く咆哮と空を燃やす拳。ただ怒りに身を任せて敵を討つ深紅の男が吠えていた。
武装した航空隊の局員を撃破すると、眼下で黙っている建物に突撃する。


爆炎を巻き起こしながら内部に突入したロア。その眼は釣り上がり、苛立ちを見せていた。


「言っておくが今日の俺は機嫌が悪い。一週間も黙ってたんだからよぉ!」

拳を握り、通路を封鎖する局員目がけて振りかぶる。



そして、それから一時間も経たない内に航空隊は壊滅した。

「ちっ。こんな管理局を相手すんなら戦艦相手の方がまだマシだぜ」
 煙をあげ、破壊された航空隊の隊舎の屋上に座りながら落ちた航空隊員を見下ろす。深紅のベルカ式魔方陣を出現させたロアは拳を顔の前に持ってきた。

「カートリッジ、オーバーロード」
《Over Load》
手を振り払うようにすると凄まじい勢いでカートリッジが十発装填され、空の弾丸が投げ捨てられる。
爆発的なまでに魔力の籠もった拳を隊舎に叩き込み、屋上から飛び降りて歩きながら離れたロアは肩を回しながら呟く。


「楽しくねぇな…早く来いよ、エース・オブ・ストライカー!」

言い終わると、タイミングを計ったような正確さで建物が爆発し、崩れ落ちた。
通信で撃破報告をするロアの表情はまだ苛立っている。

「こちらバースト1。盛大に宣戦布告したぞ」

『シャドウ1、了解。こちらももう少しで終わります』
「そうかよ」
『どうかしたのですか?』
「どうもしねえ。早く終わらせやがれ」
『了解しました』
通信を切った後、ロアは空を睨む。
かつて、相棒と翔んだ空は変わらない。

「俺も変わったな」
呟き、準備体操をして別な部隊の到着を待った。
その周囲にガジェットフレームが集結する。
ロアが指を鳴らすと、引きつれていた魔導兵器は別な航空隊へ襲撃を掛けに移動を始めた。











《管理局員に告ぐ。速やかに武装を解除せよ。こちらの勧告を受け入れない場合、排除はやむを得ない。繰り返す…》

シャドウの周りにはその忠告を受けなかった局員が倒れている。いずれもデバイスを破壊されていた。
 ロアとは別の航空隊舎に襲撃を仕掛けたシャドウだが相手の被害は最小限である。

降伏を呼び掛けるものの、反抗して魔法を連射してきていた。
やむを得ずシャドウはガジェットフレームを差し向けて距離を離す。

《こちらシャドウ1。抵抗勢力の完全鎮圧終了》


射撃魔法に次々撃破されていくガジェットフレームだが、その一体に魔法が直撃した瞬間。

大規模の単純魔力爆発により隊舎が吹き飛んだ。
そして、抵抗の意志を見せていた武装局員も同時に消えている。


《シャドウ1よりライド1、ブレイク1へ。敵戦力の削減に成功次第ガジェットを別戦力に向けろ》

《ライド1了解》
《ブレイク1、了解した》

次々と地上の戦力が失われていく中、地上本部は増援を向ける。
だが、既にガジェットによる包囲で身動きが取れずにいた。

狙いは地上本部の破壊ではなく、敵戦力の徹底排除。
その為に全戦力が動き、全力で戦闘行為が行われていた。
 組織の大規模戦闘に地上は混乱し、対抗すべきエース達も出動が遅れている。

《シャドウ1よりダガー1へ。そちらはどうなっている》
シャドウが通信を繋ぐが、返事は返ってこない。

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あきゅろす。
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