魔法少女リリカルなのはLOST Battle
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非常に申し訳ないのだが、ここは適当にあしらう。相手をしている暇が無い。
「てりゃあぁぁっ」
「悪いな」
「ぅぎゅっ!」
手を伸ばす少女の顔を手で押さえこみ、足を掛けて体を捻りながら背中を押して倒す。
確認する暇もなくその場からダッシュして階段に向かう。
(それにしても、何だって俺はこうなってるんだ?)
ふと、思い当たる節が頭に浮かんだ。
「ケルベロス。お前なんかやっただろ」
《はい。色々喋りました》
「この野郎…。どれぐらい話した、あいつらに」
《…テヘ☆》
「テヘ☆じゃねえよ!お前そんなキャラじゃないだろ!」
《ちょっとした冗談だったのですが……》
ケルベロス。悪い事は言わない。
お前に冗談を言う才能は皆無だから二度と冗談を言うな。
「すまないが、これも主のため!」
「覚悟してもらうかんな!」
「ちょっと待てぃ!」
行く先変えてUターン。三階の部隊長室前には約二名ほど強力な守護者がいた。
進路変更して手短な部屋に転がり込む。
そこは会議室にしては随分生活感溢れる場所だった。
その部屋を横断して隣の廊下に逃げる。
「というかなんで逃げてるんだ?俺」
なんとなく思ったが最もらしい答えと言えば、捕まりたくないから。
捕まったら終わる気がする。何かが。
会議室を抜けて二階への階段を走り抜け
「あ、来た」
逃げた。
一階の廊下には誰も居ない。これは好機だ。医務室に向かって走る。
「それ」
ビタァン!
…間抜けな事に顔から転けた。足に何かが引っ掛かったのだが確認するまでもない。
紐。ロープ。又はそれに似た何か。丁度脚が引っ掛かる位置で結ばれていた。
「ディード。引っ掛かったけど…」
「……捕獲完了」
「……………」
連行されていく中考える事はただ一つ。
「容赦ないな畜生……」
引きずられながらも抵抗出来ない自分が情けない。
犯罪者よろしく、部隊長前に突き出される俺。
「ディードちゃんが捕まえたか〜」
「オットーの協力もありましたけど」
「協力したけど…」
「というか、待てぇい!なんで俺はこんな事になってるんだよ!何となく理由は分かるが」
医務室から抜け出したからなのは分かっている。だがそれでもやり過ぎだ。
というか馴れ馴れしくないか貴様等。ろくに話した事も無いのに。
「何でって、ほら。面白そうやん?」
「あぁそうかい。だけど怪我人にやる事かオイ!」
「その割には凄い元気だけど」
「走り回ってました」
堂々とバラされる俺の短い逃亡劇。ちなみに医務室の中に居るのは俺を含めた四人だけだ。
部隊長の八神はやて。
髪の短い方はオットーというらしい。
そしてまだ捕まえているのがディードという少女だ。
それにしたってなんで女性しかいないんだこの部隊は。
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