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魔法少女リリカルなのはLOST Battle
六ページ
非常に申し訳ないのだが、ここは適当にあしらう。相手をしている暇が無い。

「てりゃあぁぁっ」
「悪いな」
「ぅぎゅっ!」
手を伸ばす少女の顔を手で押さえこみ、足を掛けて体を捻りながら背中を押して倒す。
確認する暇もなくその場からダッシュして階段に向かう。

(それにしても、何だって俺はこうなってるんだ?)
ふと、思い当たる節が頭に浮かんだ。

「ケルベロス。お前なんかやっただろ」
《はい。色々喋りました》
「この野郎…。どれぐらい話した、あいつらに」
《…テヘ☆》

「テヘ☆じゃねえよ!お前そんなキャラじゃないだろ!」
《ちょっとした冗談だったのですが……》
ケルベロス。悪い事は言わない。

お前に冗談を言う才能は皆無だから二度と冗談を言うな。


「すまないが、これも主のため!」
「覚悟してもらうかんな!」

「ちょっと待てぃ!」
行く先変えてUターン。三階の部隊長室前には約二名ほど強力な守護者がいた。
 進路変更して手短な部屋に転がり込む。

そこは会議室にしては随分生活感溢れる場所だった。

その部屋を横断して隣の廊下に逃げる。

「というかなんで逃げてるんだ?俺」

なんとなく思ったが最もらしい答えと言えば、捕まりたくないから。

捕まったら終わる気がする。何かが。

会議室を抜けて二階への階段を走り抜け

「あ、来た」

逃げた。


 一階の廊下には誰も居ない。これは好機だ。医務室に向かって走る。

「それ」

ビタァン!

…間抜けな事に顔から転けた。足に何かが引っ掛かったのだが確認するまでもない。
 紐。ロープ。又はそれに似た何か。丁度脚が引っ掛かる位置で結ばれていた。

「ディード。引っ掛かったけど…」
「……捕獲完了」

「……………」
連行されていく中考える事はただ一つ。


「容赦ないな畜生……」
引きずられながらも抵抗出来ない自分が情けない。
犯罪者よろしく、部隊長前に突き出される俺。


「ディードちゃんが捕まえたか〜」
「オットーの協力もありましたけど」
「協力したけど…」

「というか、待てぇい!なんで俺はこんな事になってるんだよ!何となく理由は分かるが」
医務室から抜け出したからなのは分かっている。だがそれでもやり過ぎだ。
 というか馴れ馴れしくないか貴様等。ろくに話した事も無いのに。

「何でって、ほら。面白そうやん?」
「あぁそうかい。だけど怪我人にやる事かオイ!」

「その割には凄い元気だけど」
「走り回ってました」
堂々とバラされる俺の短い逃亡劇。ちなみに医務室の中に居るのは俺を含めた四人だけだ。

部隊長の八神はやて。

髪の短い方はオットーというらしい。
そしてまだ捕まえているのがディードという少女だ。
 それにしたってなんで女性しかいないんだこの部隊は。

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