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Break S.Novel
これはひどい

 ホーウェン・ロックバルトはその日、担当地域近郊に落下したと言われる隕石の調査に向かっていた。そこで待ち受けていたのは奇怪な宇宙船。
 それを機に、街で相次ぐ謎の連続殺人事件。
 また、マスター・ハーベルグも同じように調査に駆り出していた。独自の調査で手に入れた情報に口元を笑みで歪めながら。

「……未知なる敵、か。なるほど確かに我々には脅威だな」
 ホーウェンは人類の為に。

「面白ぇ。狩りの対象にされてるってんなら、狩らせてもらうぜ」
 マスターは娯楽の為に。


 人類の脅威に対する二人は、宇宙からの脅威へ恐怖を叩き込む。



 ホーウェンは夜間の見回りを単独で行っていた。部下をこれ以上犠牲にしないように、胸の内に怒りを秘めて。
 そして、この日。人類の脅威となる宇宙生命体を追跡していた。

「逃がすか!」
 壁を這い、飛び移りながら地面に着地した“エイリアン”をアクセル全開にした《ヘルハウンド》で轢く。急ターンしながら頭部に銃口を突き付けて躊躇いなく引き金を引いた。
 破裂した頭部から強力な酸を撒き散らしながら絶命する姿には一瞥もくれず九番地区を走る。
 その後ろには──。

「チッ、数が多過ぎる!」
 奇声じみた威嚇の声を発しながらホーウェンに迫るその数は数え切れる物ではない。



 街中を歩く蒼い悪魔は宇宙からのチャレンジャーを相手に肉弾戦をしていた。
 椀部のリストブレイドを月明かりで煌めかせながら飛び掛かる“プレデター”を正面から蹴り飛ばす。前髪を掠めるスリルに感謝してマスターは大剣で返礼した。
 両手を交差させて防いだプレデターの身体が地面に叩きつけられて転がる。

「かってぇなオイ! どういう金属使ってやがんだ!」
 ほぼ全力で振りかぶったというのに、腕の刃は歯こぼれ一つしていない。あわよくばへし折りたい所だが、向こうから言えば互角に近い性能を引き出しているのかが疑問だろう。だが製作者は馬鹿。

 一対一の決闘、それを望んだプレデターとしては強敵に出会えたのは僥倖だった。戦士と呼べる対等の相手の頭蓋骨をスキャンする。
 もしそれを手に入れられたら同族より賞賛が浴びせられる事だろう。いや、それ以上に強敵を越えた達成感が胸を支配する。そう考えるだけで感情が昂ぶった。


「来いよ狩人。悪魔の娯楽に付き合ってもらうぜ!」

 第十二番管理国家九番地区で行われる惑星外の生命体による生存競争。自然界における弱肉強食の連鎖の一つ。
 誰が狩り、狩られるか。
 強者である証の為に、生き残れ。


「マスター、正直……君の行動は理解出来ない。隣にいるのは」
「喧嘩仲間だ文句言うなよ。行くぜ狩人、休戦だ」
「……宇宙人相手によく交渉出来たな」
「拳で語るコミュニケーションだ」



 ──悪夢に等しい光景。



「ゲヒャヒャヒャヒャ、ヒャッハー! くたばりやがれぇぇええ!」
「……プレデター殿。アレを見てどう思う」
『…………』

 言葉を失う地獄絵図。


 ──この星に降りたのが最大の不幸であった。



 BreakForce宇宙編
 〜悪夢の生存競争〜




〜あとがき〜

前々から考えてはいたけど書かなかった酷い中編。

映画エイリアン相手にホーウェンが奮闘したり体重200Kgのプレデター相手に肉弾戦挑むマスターとか毎度ながらやりたい放題な物です(笑)

しかしホーウェンが本当に人類の希望ですありがとうございました。
マスターは人類止めてるんじゃないのかと思われますが正真正銘普通じゃないけど高校生です。忘れられがちだけどまだ成人してませんから!

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あきゅろす。
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