[携帯モード] [URL送信]

Break S.Novel
騎兵と機人の姉妹
「はぁ〜……」
「あ、ギン姉」
 ため息を吐くギンガにスバルが少し心配そうに声を掛ける。何だかここ最近元気がない。ライダーも一応心配していた。

「どうかしたのか?」
「う〜ん、ちょっとね……」
「私達で良かったら協力するよギン姉。だから相談して♪」
(言えない。スバルが羨ましいだなんて……私もそんな相手が欲しいだなんて……!)
「……なんだギンガ。俺の顔を見て」
「ギン姉、ライダーがどうかし……まさか狙ってるの!?」
「ち、違うわよスバル! ただ、いいなぁって思って……」
「えっ、何が?」
 鈍感なスバルには意味があまり伝わっていない。ライダーは首を傾げている。この二人に共通しているのは多少鈍い事だ。

「私も素敵な男性と付き合ってみたいんだけど……相手がいなくて。だからスバルを見てて、ちょっとね……」
「そうだったんだ。じゃあギン姉、ライダーとデート……」

 少女思考中......

「やっぱ駄目!」
「俺は構わないが……」
「あ、三人で遊びに行けばいいんだ。それならいいよねギン姉」
「えっ?」
 どうしてそうなったのか聞きたいがスバルが幸せそうなので言い返せない。

「じゃあどこ行こうか?」
「もう決定してるの!?」
「夕飯前だしな……なら、どこかで食いに行くか? ちょうど臨時収入もある」
 真面目に働いているライダーの手元には給料が入った財布がある。ファルドやその他の協力もあってか、まっとうな仕事のまともなお給料だ。

「でもいいの? ライダー、それ初めての給料でしょ?」
「む……いや、これでいい。日頃世話になってるからな。少しずつ礼をしたい。スバルだけでなく、ギンガにもな」
「私も?」
「ああ。色々迷惑掛けてるだろう、それにスバルの姉なら尚更だ」
「義理固いというか、ライダーって結構頭固いよね」
「む? まぁ、元は機械だったからな……今でも似たような物だが」
「それなら遠慮なく。私行ってみたいお店があったのよ。この前テレビでやってた『よろづ』って結構評判良いらしくて」
「じゃあ決まり♪ ライダー早く行こ。ほらほらギン姉も支度して」
「急かすなスバル。いや、速いのは良い事だが……」
 ニコニコ笑うスバルが先に玄関に行くと、ライダーは出掛ける用意を始める。

「ライダー」
「む?」
「……スバルを、よろしくね」
「当然だ。何があろうと、必ず守り通す」
 ギンガの言葉に、さも当然であるように返してライダーは親指を立てた。

「ついでに、で悪いが……ギンガ。お前も守る。スバルが悲しむからな」
「……えっ、あ……ありがとう」

「ギン姉ー、ライダー、まだー? ねぇー?」
「今行く。……これからも頼むぞ」
「うん……」
 心底スバルが羨ましい。こうまで想われて、幸せに違いない。

 自分もライダーのような彼氏が出来れば、と思いながらも──ギンガは笑顔で二人の手を繋がせた。

「二人共、手を放しちゃ駄目だからね♪」
「うん、勿論♪」
「ああ。了解だ」




〜あとがき〜
ライスバ+ギンガ。にやにやからニコニコに……なる?かもしれない短編。それにしても爆発しないな、おかしい……(!?)

[*前へ][次へ#]

12/61ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!