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Break S.Novel
エースの昼食

「ファルドさん、あーん♪」
「え、あー……あーん」
 テーブルを囲んで食べる昼食。なのはからの無邪気で無垢な『あーん』攻撃にファルドは羞恥心が爆発しそうだった。

「私にはしてくれないの?」
「……やらなきゃ、ダメか」
「うん♪」
(あーもう畜生可愛いなぁ!)
なのは手作りのオムライスをスプーンに乗せ、差し出す。だがニコニコとしたまま口を開けようとしない。
ああ、そういうことか。理解したファルドは顔を真っ赤にしながら再度差し出した。

「あ〜……あーん……」
「あーん…♪」
ぱくり、と一口。もぐもぐ、にっこりと笑顔。
色々とファルドは限界だったりする。

「もう俺は死ぬんじゃないかと思うぐらい恥ずかしいんだが…」
「えー、そうかな…私は嬉しいよ? ファルドさん中々時間空けてくれないんだもん」
「まあ。うん、それは…悪いと思ってる…忙しくてな」
 二人きりの昼食。その時間が堪らなく嬉しいのはファルドも一緒だが、『あーん』はもう攻撃にしかならない。実は怒ってるんじゃないかと小一時間考え詰めるぐらいに、ファルドからしたらとんでもない攻撃だった。

「なのは。二人きりでも「あーん」だけは勘弁してくれ…」
「じゃあ口移し?」
「ごふぉ!?」
おもっくそ唐揚げが変な所に飛び込んでくる。コンソメスープで流そうと思い手を伸ばしたらなのはと手が重なって驚き、手を引いたら勢い余って椅子ごと倒れた。
世にも珍しい管理局のエースがテンパる姿である。

「げっほ、げほ! ぐほぁ! …唐揚げで三途の川が見えた…」
「だ、大丈夫?」
「倒れた衝撃で唐揚げが何とかなった……」
「駄目? 口移し……」

どんがらがっしゃーん。パリーン

 立ち上がろうとしてテーブルから手を滑らせたファルドが転げ回った。何処まで本気で天然なのかそれとも最初から本気なのか混乱してくる。

「…したいのか、なのは」
↑既に満身創痍なファルドの図。

「うん……」
↑上目遣いでせがむなのはの図。

「………あー」
 ファルドは悩んだ。悩んで悩んで、悩み抜いた末に席を移動してなのはの隣に座る。

「…一回だけだからな」
「…う、うん」
何を食べるか…いや、何を食べさせるか考えてファルドはオムライスを一口食べた。
そして、なのはと向かい合い顔を近付けていく……

「そんなのダメよファルド!」

「ごぐぉ!?」

カリム奇襲によりオムライスは喉の奥の気管に突入。盛大にむせ、思わず膝をテーブルにぶつけてなのはを巻き込んで倒れる(二回目)

「ゲホッ、ゲホ……はぁ…マジで死ぬかと思った」
「カリムさんどこから…」

「一部始終見せてもらったわ。あーんの所から」

「もういっそ殺せ…俺を殺してくれなのはぁぁぁぁっ!!」

どうにもこうにも、ファルドは最後に災難が降り掛かる様子。



〜あとがき〜
単なる気まぐれで書いたイチャラブ。しかし崩壊。色々と。

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あきゅろす。
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