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ヴァルくろ!
続々参上惨状集合

 なんというか、ロイ先輩は無表情で無口だから何考えてるか分からない。スロウド先輩は笑っているが、なんなんだこの人。復活早いし丈夫だな毎回。

「どこに行っても変わらない。俺クオリティ」
「……お前等、少しは自重しような」
 ロン先輩到着、一瞬女子と見間違えたなんて口裂け男でも言えない言わない言えるはずがない。
 結い上げてうなじが魅力のポニーテールを下ろし、帽子をかぶってる。上着のシャツは腰に巻いて、薄手の長袖を着た姿は男装してるように見えなくもない。

「マスターはまだ来てないのか?」
「いつもじゃん」
「まぁ、そうだけどな。毎度の事だし」
「ですよねー」
 どうも遅刻の常習犯であるマスター先輩は普段から待ち合わせ時間より到着が遅いようだ。いや、俺達が早いだけだと思いたい。

「案外早かったな皆、部長が居ないのはいつもの事だけど」
「緋神先輩シャッス!」
「押忍!」
 そして緋神先輩到着、残りはライとマスター先輩にレイヴン先輩の三人だ。しかし、私服が全く想像出来ない。

「黄泉、ライの私服はどんなのだか想像出来たか?」
「うーん、そうだねぇ……。全然かな? 藍紅はどうだい?」
「出来てたらお前に聞かなかった」
「それもそうか」
 はははと笑い合っていたら戦術研究部部長、又の名を札つき。マスター先輩がめっちゃ眠そうにして到着。その横にはレイヴン先輩がニコニコ笑顔で手を引いている。兄妹と言われたら納得してしまいそうな俺がいる。

「マスター、早くー。みんな待ってるよ?」
「見えてるっつうに。んな急ぐなよ」
 二人揃って黒い。レイヴン先輩は可愛いから良し、マスター先輩マジ怖い。ボーイッシュでカジュアルに決めたレイヴン先輩は、うん。悪くない。
 一方で、黒のジーンズに赤いバンダナを巻いてファーの付いた黒い革ジャケットを着た部長はマフィアの幹部ですか。服装から犯罪者臭を匂わせる先輩。信じられるか、アレ……俺達の部長なんだぜ?

「神谷はまだ来てないのかよ、まったくコレだから時間守らない奴は……」
「お前ソレを鏡見て言えるか?」
「独り言呟く趣味はねえぞ、ロン」
「戯言ほざく余裕はあるんだなマスター?」
「お願いですからいきなり修羅場突入しないでくださいマスター先輩とロン先輩」
 仲良くするという言葉を知らないのかこの人達は。拳で語るボディランゲージ、なにそれ熱い。それ以上に痛い思いをするスロウド先輩。一方的過ぎる理不尽な光景から目を逸らせばそれはそれは平和な物だ。

「……空が綺麗だなー」
「良い天気だね藍紅。あの日も同じくらい晴れてたのに雷が……」
「おいばかやめて! 心の傷が痛むから!」
 黄泉、お前は俺を精神的に追い込むのが趣味か。針に刺されたように痛いよマイハート。

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あきゅろす。
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