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リリカルなのは-Beautiful Fantasy-
第二節-1

 ──機動武装隊の次の目的地が決まった。任務内容は古代遺物の封印と確保、及びクレイモアの捜査。管轄外惑星での任務となる為、デルタを降下させる事になる。
 ファルドは時空管理局本局と調査に赴いた事のある次元航行隊から出来る限りの情報を集め、データとして纏めた。それをクルヴィスが引き継ぎ、はやても一緒になって適切な人物を考える。これも一種の指揮者としての勉強の一環だ。

「う〜ん、話聞く限りやと複数あるみたいやね。原生生物がそれの影響食らって凶暴化してるやろし……」
「まあ管轄外とはいえ自然保護はしませんとね。何かやらかしますと責任はファルド一佐に行きますから」
「そやなぁ……」
 ウンウンと充分に悩みながら考え、それをファルドに提出する。まるで宿題忘れた生徒のような心境で評価を待った。

「うん、良いと思うぞ。コレなら多少想定外の出来事が起きても対応出来るだろうしな」
「ほんまですか? よかったぁ、ダメ出しされたらどないしようかと……」
「真面目に考えたんだろ。あぁ、念の為現場には俺も出る。万が一に備えてな」
「あ、はい……」
「じゃあ各員に内容の連絡を頼む。俺はちょっと動けそうにない」
「一応聞いてよろしいでしょうか? 何のデータを見てるん……ですかファルド一佐」
 思わずいつもの調子で聞いてしまいそうになって、訂正する。見る限りではデバイスのデータや他の次元航行隊の航海日誌のようだが、業務と関係はないはずだ。

「これか? クルヴィスが中々デバイスのプランに困ってるようだから、俺も他の部隊の話やデータを見て使えそうな情報を探してる。通常業務は粗方済ませたしな」
「へぇ〜……えっ!?」
「何か珍しいのか? 部下の為に上司が動くのが」
「いや、ちゃいます。通常業務済ませたって……まだお昼前」
「午後は実技訓練だ。到着は明日の予定だからそれまでに軽く体を動かしておきたい」
「…………」
 何というか、言葉が出ない。スケジュール管理がどうなっているか聞いてみたい気もするが、嫌な予感しかしないので止めておいた。主にその密度が。

「ま、少し贔屓してるかもしれないがアイツは俺の弟みたいなものだしな。一番手間の掛かった部下でもある」
「戦技教導もされたとか……」
「マンツーマンでな。幻術魔法教えたのは俺だが、それからは独学であそこまで伸びた。何というか、幻術魔法を極める辺りクルヴィスらしいというか……ますます狐っぷりがな」
 苦笑しながらも、手は決して休めていない。要所だけをチェックし、別なデータとしてまとめている。狐、と言われてクルヴィスが油揚げをくわえてる姿を想像してしまったはやては、思わず笑ってしまった。狐耳と尻尾が似合い過ぎる。

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