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★長編小説




ー…ドーーーンッ
と、爆風と共に耳を塞ぎたくなるような爆音が鳴り響いた。


「る…、流雨っ―――!!!」

羽巫が爆風に負けないぐらいの、叫び声を上げた。

「…大丈夫だ」

「……流雨っ!!…っ!!?」

後ろから流雨の声がしたため、羽巫は振り向いた…すると、そこにいたのは左腕は力無くダランとしているそれを、右手で押さえている流雨の姿。

「流雨っ、大丈夫!!?」


「……あぁ、なんとか」

「大丈夫じゃないよ!…メイチャはっ!!?」

「……」

流雨の指差す方を見ると無傷のメイチャが…。

「…何でよ、何で止めちゃうのよ…あんたが怪我してまでっ!!」

「…これ以上、他の人を…巻き込みたくないからな…」

息を切らしながら流雨が言った。


あの爆発の前、メイチャが撃った瞬間に自分のナカへと取り込んだらしい。
だが、取り込めきれず内部爆発してしまった。
そのため、左腕が使いものにならなくなってしまった。
左腕が付いているだけ、マシだ。


「…そんな、そんな事が人間に…」

「出来ない…、だが俺は…オレは」
愛夢が言うと、流雨は少し表情が曇った。

あっと、地雷を踏んでしまったと気付いた幸が愛夢の顔を、思いっきり叩いた。


「あたっ!!?…幸、痛いじゃないかぁ!!」

「あんたは黙ってな!!」

幸恐っ!…と改めて思った愛夢。

「…だ、からって…引き下がるわけにはいかないのよっ!」

メイチャは、鎌を一回回し流雨に向かって走ってきた。
だが流雨はもう、立っている力もないらしくその場に、膝をついてしまった。

「…ハァ、ハァ…」

「…っ、流雨っ!!!」

羽巫が急いで流雨のもとに走る。
…だが、間に合わないっ!



ー……



ーキンッ…




「…っ!!?」

流雨の目の前に、人影が現れメイチャの鎌を素手で受け止めていた。

「…幸!?」

…幸だった。
メイチャの動きと鎌は、ピタリと幸によって止められていた。

…どういう事だろうか?
そして、幸はグッと力込めた。



…パキンッ



「ッ!?」

メイチャの鎌は幸によって、先端が砕けた状態だ。
一方幸は、疲れきった様子で地面に手をついた。
「…これ、は?」

本人も驚いているようだ。

「こ、んな事でっ!!」

メイチャは砕けた鎌などお構いなしに、息に向かって鎌を振り下ろした。

「引いてたまるかぁぁぁ!!」

「…ぇっ!!?」



ー…バサッ



「…ぁ」


全員の反応が遅れ、気づいた時にはメイチャは幸の胸元をバッサリと切っていた。

「幸っ!!!」

「…あ、」


ー…ドサッ


「…お前ぇ!!!」

羽巫は大剣を構え、メイチャに向かって走った。怒りを込めて…
隙を見せたメイチャに、大剣を突き刺した。


「きゃぁぁぁぁぁっ!!!!?」

メイチャは光となって…今度こそ消えた…。


「流雨っ!!」

羽巫が急いで向かった先は、流雨のところ。
そして愛夢が向かった先は幸のところ。

「流雨っ、…大丈夫?」

「…あぁ、俺はもう大丈夫だ」

流雨の言葉どおり、確かに左腕は普通に動いていた。

「…良かった」

「…俺より、むこうに行った方がいいんじゃないか?」

「…ぁ、幸っ!」

羽巫は思い出したとばかりに、流雨の腕を引っ張って幸のところまで走った。

「幸、幸っ!!!」

愛夢が幸の名前を連呼する…。

「…ん」

「…外傷は無いな、服だけ破れたのか」

「え、コレって…」

流雨の外傷は無いと言う言葉に、ホッとするのもつかの間見てしまった真実…。

「…ぁ、バ要 愛夢」

第一声がソレかよっ!…と、つっこみを入れたくなるが今はソレどころではない…。

「幸、キミはやっぱり…」

3人が見たもの…。
それは…



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