★長編小説 1 ー…テストから5日が経ち、今日は学年ランキングが出る日だ。 「羽巫はきっと上位だよね」 「えぇ〜、そうかなぁ…流雨は調子良かったぁ?」 「………」 その場の空気を壊した人物、それは紛れもなく流雨だ。 「…つうか、ナチュラルにいるよね」 「ぇ?だって、一緒に住んでるし…」 「…えええええぇぇぇぇっ!!!!!!!?」 「真宝うるさい」 大声をあげた真宝に、少々ご立腹の羽巫。 「それは初耳だよ!…ぇ、いつそう言う関係になったの!!?」 「…そう言う関係って、どういう関係?」 …ちーん まさに、そんな感じ。 さすがは天然系主人公と言う感じだ… 「あ、の…う〜ん…まぁ、いいや…あんたに言っても多分、いや100%理解しないわ…」 「剥唐チ!なに、それぇ!」 さすがに、そこまで言われた羽巫は頬を膨らませた。 その顔を見て、流雨は少し表情を緩めた。 「…笑えばいいじゃん♪」 「え…、」 流雨を見て真宝は、「羽巫がこんな面白い顔してるんだから」と続けた。「なっ!?剥唐チ!」 「だって本当の事じゃ〜ん♪」 と走り回る真宝。 それを追いかける羽巫…、まぁ追いつく筈もないが…。 「早く行かないと遅れちゃうよぅ♪」 「むぅ〜!」 更に膨れる羽巫。 ー… 「…さてと、羽巫は何位かなぁ?」 「自分の名前探せば?」 「面倒だもん」 「見つけやすいと思うけど」 などと言われているが、真宝はお構いなしに羽巫の名前を探した。 「ぁ、あった!…3位?」 1位…幸 1位…流雨 3位…華瑞城 羽巫 4位………… 「…1位じゃなかった、流雨くん凄い!それに、幸くんも凄い!」 「流雨おめでとう♪」 真宝と羽巫が誉めているにも、関わらず流雨はさっさと教室に入ってしまった。 「…あ、」 「…無関心だね、それより真宝は何位だったのよぉ?」 「ぇ?…私、は…ここ♪」 「………。」 211位… 下から二番目! 這買uービー賞っ!!!!? 「でもさぁ、下に1人いるじゃん♪」 「…学年でね?」 「まぁまぁ、最下位になるやつの顔が見たいよ♪」 と、言った瞬間。 「わあぁぁぁっ!!!!」 えっ!!!!? と、誰もがその声に振り向いた。 しかも、羽巫達は耳元で叫ばれたため耳なりがしていた。 「高校でも最下位だぁ♪」 と言った子は、 中性的な顔をしている、紅く背中まである髪の毛が目立つ男の子…、だろう。 男物の制服を着ているのだから。 名前を見ると『刹那 紅來』(せつな こうき)と、書いてあった。 声を掛けようとしたがチャイムが鳴り響いたため、羽巫達は急いで教室へ向かった。 [次へ#] [戻る] |