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正義と不義
第6話
次の朝、朝食を済ませた
ライトとタストキは
中庭へ向かった。
その間、二人に会話はなかった。

「全兵集まったか!」

隊長が蒼然と並んだ兵の集団に
大声を発した。
全兵から返答が返ってきた。

「皆の者、本日より
 実戦に向けた訓練を行う!
 なお、対象外が一人いる、
 その者は好きにするがよい」

ざわめいた。
誰だ誰だ、と声が聞こえる。
ライトはその声に反応して
少し小さくなった。

「ライト!」
「はいっ!」

予告があったにも関わらず、
隊長の声に驚いたライトは
思わず大声を上げた。

「すぐに部隊から外れろ。
 見学でも好きなように
 過ごしていけ!」
「わ、わかりました」

心では恥ずかしかったが
それを表情に表さなかった。
敬礼をするも、前の兵のせいで
隊長には見えなかった。
ライトは列から外れて
兵舎の中へ入っていった。

扉を閉めた後、
窓から中庭の様子を覗いてみると
兵が槍を構えて
声を張り上げていた。
しばらく様子を見たライトは
詠唱を素早く言った後、
魔法を唱えて国を後にした。

―――――――――――――――

「ライト」
「ん、ダークライトか」

聖域にある綺麗に磨かれた石碑で
祈りを捧げていたライトに
ダークライトが近づいてきた。

「お前、今日は非番か?」
「いや」
「じゃあ、なぜここにいる」
「それは・・・」

ライトは今までの事を話した。

「あぁ、明日の夜明けと共に
 戦争が起こるんだろ?
 それは知ってる」
「あ、明日!?」

唐突に言われた開戦日に
ライトは驚いて
ダークライトにしがみついた。

「本当なのか!」
「レインが言ってたんだ。
 信じるしかねぇだろ」
「そんな・・・」

ライトはゆっくりと崩れた。

「レインのところへ行くか?」
「・・・うん・・・」

ライトは静かに立ち上がって、
ダークライトと共に
聖域の祠の中へ入っていった。

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あきゅろす。
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