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正義と不義
第18話
「なんだ、大した事なくて
 よかったよ」
「・・・・・・」

魔物は藍色の血を流して
倒れていた。
あっさり殺られすぎて
しばらくは疑いを掛けたが
本当に死んだとわかると
安心した。

「先代の王はどこだ。
 まっ、大体検討はつくが」

ライトは奥へ走った。
行き先は牢屋。
スタンダードに閉じ込めるなら
そこしかない。

地下へ続く階段を下りると
そこは牢屋である。
入り口となる鉄格子の扉には
厳重に鍵が掛けられていたが、
その前にある机に
鍵が置かれていた。
その鍵を使って中に入ると
カビの臭いが鼻にきた。

「やな臭いだな・・・。
 って・・・ん?」

入ってすぐに右を向いた。
そこにはなんと
ボロ切れの服を着た王の姿が。
さらに奥に進むと
大臣や殿下など、王族の人々が
閉じ込められていた。

「王、今助けます」

牢屋の鍵穴に鍵を差し込んで
クルリと回すと鍵が外れた。
そして王が出てきた。

「・・・助かったぞ・・・」

弱々しい声だった。
よく見ると、
顔の血の気が少し失せていた。

「ご無事で何よりです」
「他の者も助けるのじゃ・・・」
「承知しました」

残りの牢屋に閉じ込められた
王族の人たちを助け出すライト。
1人だけまだピンピンしている
少年の姿があった。

「父上、大丈夫ですか!」
「・・・その呼び名は
 使うなと申したじゃろう・・・」
『ライト』
「ん?」

突然ダークライトの声が
聞こえてきた。
ライトは少し離れたところへ
歩き、応答した。

「どうした?」
『事は済んだか』
「今の王は魔物だったよ。
 さっき先代の王と王族を
 助けたところ」
『やっぱりか』
「そっちはどう?」
『完璧だぜ!』
「か・・・完璧・・・ですか?」

思わず敬語表現を使うライト。
声から素振りとテンションが
もの凄い伝わっていた。

「あの、まだ
 助けてくれませんか?
 出陣した兵を戻したいのです」
「へぇ、まだ子供なのに
 しっかりしているね。
 いいよ、手助けが
 必要なところだったし」
「感謝します」

礼儀正しい素振り。
この少年は王子である。
ライトは王子を連れて
魔法を唱えた。



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あきゅろす。
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