[携帯モード] [URL送信]

TimeKnight
偶然の世界
退屈な日々。
積み重ねた日々に飽き飽きしてきたわ。
こんなつまらないなら人生なんていらない。
面白いことを探さなきゃ死んでしまう。
遊びに行っても駄目。
何か探そう。
そうだ・・確か裏に蔵があった。
小さい頃からあった無駄に大きな蔵。
あの時は幼かったから、つまらなかったけど、今ならしょうもなくとも雑貨ぐらいはあるでしょう。

・・・・・・
・・・・
・・
思った以上に汚いわね。
そこら中ハウスダストの山ね。
私の足跡まで残ってる。
何か古臭そうな物ばかりね。
何よこの達磨。
起きないじゃない。
ん?何かしら・・
大きな時計ね・・
こんな大きいの、何の為に作ったのかしら。
蹴ったら動くかしら。
かづん・・
ああ、壊れちゃうわね・・・・ずさ
っっっ
あれ・・痛い・・
何これ・・血?
胸に刺さってる・・
あぁ、時計の針ね・・
嘘・・・・
ここで死ぬのね・・
誰にも気付かれず・・
おかしいな・・
死んだほうがマシとか言ってたのに、今になって後悔・・
・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・あれ・・・・?
死なない・・
何で?
あ・・血が出てない。
この赤いのは・・ペイント?
この針のか・・
痛みも無い・・
何これ・・逆に怖い・・
生きてるの・・?
それとも死んでるの・・?もう訳分かんない・・
・・・・・・
・・・・
・・

これが今の現状。
生きているのか、死んでいるか、それすら分からない様子で沈黙していた。目の当たりにした恐怖に圧倒され、精神的にもダメージを受けていた。

「こんにちわ。」
しゃがんで俯いていた彼女の前に、一人の男性が現れた。異国的な紳士服を纏い、変わった小さめな眼鏡を掛け、頭にはシルクハットを被っていた。ズボンにはチェーンを数本付けていて、腰には細い剣を付けていた。
男はやけに笑顔だった。しかし少女は、逆にその男がここにいる意味が分からず、驚いて後退りをしていた。
「そんな驚いて貰わなくて結構ですよ?」
男は少々困った顔をした。しかし、彼の意見は彼女にとってそれは無理な話だった。
「あ〜・・先に自己紹介をさせていただきます。私は、ジークス・フリートキングと申します。」
名を言うと、腹部辺りに手を置き、お辞儀をした。
その様に少女は、取り敢えず立ち上がった。気付けば、先程よりも落ち着いている自分がいた。
「所で貴女の名前は?」
男のいきなり質問に、少女は驚いた。
「え・・あ、私?」
少女は、突然の事であたふたしていた。
「えーと・・時崎 葵。」葵は名前を呟く様に言った。

[次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!