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告白(月L)3000hit


手錠生活というものを始めて何日たっただろう?
まだ慣れない生活に、
戸惑いながらも適応しようと努力している。

ただ最近、
竜崎が僕に好意を抱いている感じがする
いや、絶対。
絶対僕が好きなはず。

でも僕ら同性だぞ?
世界の切り札、Lがそんな趣味だったとは。

君を観察してれば分かる
ほら、今日だって。

だから今日ははっきり言ってやるんだ。
君の気持ちは迷惑だって。今まで振ってきた女の子達のようにね。





―夜―

僕と竜崎は晩ごはんを食べる。
竜崎はごはんというよりおやつだけれど。

‥あ
口の端に生クリームついてるし。
そんな事しても可愛くなんか‥
少ししか可愛くないぞ。
ほんの少ししかねっ!

「竜崎」
「はい?」
「口の端、生クリームついてるよ」
「あ、すみません」

僕は拭ってあげた。
竜崎は黙って僕に拭られてる。
目なんて瞑って
絶対誘ってる。

「夜神くん?」
「え、あ、ごめん」

僕は手を離した。
僕は途中だった食事を再開した。





「そろそろ寝ましょうか」
「ああ、そうだな」

竜崎はペタペタと足音を鳴らしながら寝室へ向かう。
僕は後をついて歩く。

無言でベッドに入り、沈黙が続く。
たまに聞こえるのは鎖が掠れた音だけ。

「―月くん。」
「え?」

急に呼ばれて驚いた。

「会話、しませんか?」
「う、うん」

二人の声が闇に響く。
他愛もない会話をする。
そういえば竜崎と普通の会話をするのは初めてかもしれない。

「―月くんの好きなタイプってどんな人ですか?」
「唐突だな。」

絶対竜崎は僕を好きだ。
いきなり親密になろうとしてる。

「聞いてみたいです。やはりミサさんのような方ですか?」
「どうなんだろう?」

‥いや、待て。
ここは少し楽しむとしよう。
わざと竜崎を好きかもしれない雰囲気を出すんだ。
あくまでも気付かれる事などないように。
調子に乗って不様に告白してくる竜崎を笑ってやる。

「‥不思議な感じがある子とか好きだな。」
「ミサさん不思議な感じありますか?」
「ミサはおいといて。あと頭がいい子。」
「それは同感ですね、私も頭がいい人は好きです」

僕のことを言ってるのか?
「あと‥甘いものが好きな子。」
「ああ、それはいいですね。会話もはずみます。」

おかしいな。
少しも調子に乗る素振りを見せない。
これじゃ普通に好きなタイプを語り合ってるだけだ。
少し鈍感なんだな。
ならもう少し分かりやすく言ってみるか。

「―あと隈ある子、好きかも。」
「……………」

お、黙った。
気付いたのか?

「―何処がいいんです?たまになら普通のことですが毎日隈がある人がいたら病院に連れて行ってあげたくなります」

―いや。
それはお前の事だろ。
さっさと病院へ行け。

「そ、それもそうだな」
「月くんの好きなタイプは面白いですね」

いや、お前の事だから。

「あはは、まるで竜崎のことみたいだな。」
「‥はい?」

あ、直接的に言い過ぎた。

「月くんの好きなタイプがですか?」
「あ、うん。」

こうなれば突き通す。

「く、隈とかさ。」
「私、隈あります?」

気付かんかったんかいっ
と、ツッコミ初体験。

「では月くんは私が好きなんですね。」

上目遣いでからかうように言われた。
いや、逆だろ
お前が僕を好きなんだ

「そうは言ってない。」
「振られてしまいました」
「竜崎は好きなタイプあるのか?」
「まあ、一応は。」
「教えてよ」

まあ、聞かなくても分かるけどね。
どうせ頭がよくて、
容姿端麗で、
テニスが上手くて、
名前は夜神月です
って言うんだろ?

「そうですねー、可愛らしい人がいいです」
「か、可愛らしい?」

僕のことをそんな風に思っていたのか?

「容姿にこだわりはありませんが、素直な人がいいです。」
「素直‥?」

僕、素直か?
どっちかって言うと生意気だと思うけど。

「ミサさん可愛いですよね、月くん羨ましいです」

ちょっと待て‥
僕のことが好きなんじゃないのか?
今までの思わせ振りはなんだ?

この前だって一緒にお風呂に入ったし
この前はベッドですり寄ってきた。

あれは明らか僕のことが好きな証拠。
なのに何故僕が好きだと言わない?

僕は無性に苛立ってきた。
理由は分からない

「―お前、ミサのこと好きなのか?」
「好きではありませんよ、ただ可愛いと言っただけです」

何で僕、怒ってるんだ?

「怒ってるんですか?」
「怒ってない。」
「かんに触りましたか?」
「触ってないっ」

僕はもぞもぞ動いて少し竜崎から離れた。

なんだ、これは
まるで振られた気分だ
何故、僕がここまで落ち込まなくてはならない?

「竜崎‥」
「はい」
「お前、好きな人いるのか?」
「どうでしょう?」
「僕が聞いてるんだ。」
「どうしたんです?いきなり本気になって。」
「いいから答えろよ」

その口で、
僕のことが好きだと言え

好きで好きで堪らないと
僕に打ち明けろ

「月くんには関係のないことです、言う必要がありません。」
「‥好きな相手が、僕だから言えないんだろ?」

僕は振り向き、竜崎を見つめ言った。
竜崎は一瞬目を丸くする。

「―自意識、過剰なんですね。」
「どうなんだよ?」
「‥好きじゃありません。貴方はキラだ、好きになるはずがない。」
「僕は‥キラじゃない…」

僕は竜崎の手首を掴み
口付けた
それも深い口付けを。

「―っ‥変っ‥態…!」

竜崎に蹴飛ばされた。

「僕が好きだと言えよ」
「だから好きじゃないですって!!」
「嘘つくな」
「それよりいきなり人にキスをするとは‥明日貴方のお父様に言い付けてあげますよ」
「勝手にしろ。」

竜崎も僕も
お互いに背を剥けた。

目を合わせないように。
表情を読み取られないように。

「‥私ではなく、貴方が私を好きなんじゃないですか?」
「は?そんなはずない。」
「では好きでもない相手に貴方はキスをしたことになります」
「どうでもいい」

僕はお前を好きじゃない
絶対好きじゃない

だがお前は僕を好きだ
だから少し考えてやってもいい
不様に振られるのも可哀想だから
ただそれだけのこと。

絶対に好きじゃない
好きなはずがない

「早く私を好きだと言ったらどうですか?」
「それはお前だろ、早く告白してみろよ」



これは君と僕のゲーム。
認めた方が負け。




end




*あとがき*
3000hitということで、まき様にリクして頂きました。
『自惚れ月×天然L(ギャグ)』ということで、全然リクに合ってない話になってしまいました。
駄文丸出しです。
でもこんな始まりもありかなと。
少しギャグ要素も入れてみたのですが‥
全然駄目ですね。
それでは、リク有り難うございました。




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あきゅろす。
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