死帳文
意地悪※
｢―‥ねえ、竜崎？｣
｢何です？」
いつもの様に捜査中。
夜神くんが手を止めながら私に話し掛けて来た。
｢竜崎ってＭなの？」
｢‥はい？」
急に何を聞いてくるかと思ったら‥
今日は二人で行う仕事で良かった。
松田達にこんな所を見せられるはずがない。
｢Ｍと‥言いますと‥？」
私はとぼけた。
｢うーん‥虐められるのが好きとか。そうなの？」
‥虐められるのが好き？
それでは私は変態みたいじゃないですか。
私は変態では無い。
｢そんな事はありません。虐められるのが好きな人などいないでしょう。」
｢そうかな？竜崎はＭだと思うんだけど。」
何処がそう思われてしまうのだろう？
｢私は虐められたくなど無いですよ。」
｢じゃあ虐めたいの？俗に言うＳってやつ？」
｢虐める‥それも嫌ですね｡そんな趣味ないです。」
｢虐めたくても虐められないもんね。Ｍだから。」
｢なっ、Ｍなどではありません。むしろＳかもしれませんよっ」
私は必死に否定した。
｢じゃあ僕を虐めてよ。Ｓなら出来るでしょ？」
｢‥今は捜査中ですよ。今は捜査に‥」
｢言い訳？」
その挑発に乗せられた。
｢‥本気、出しちゃいますからね？」
｢いいよ、いいよ」
いつでも来いという態度。
｢‥早く仕事して下さい、でないとおやつ抜きです」
精一杯の虐め。
届いただろうか？
「‥ぷっ‥あははは☆」
夜神君は噴いて笑った。
｢な、何で笑うんです？｣
｢あはは､竜崎は可愛いね。可愛くて食べちゃいたいくらだよ。」
私は意味が分からずただ首を傾げる事しか出来なかった。
｢じゃあ、本当のＳって物を見せようか。」
そう言って夜神くんは席を立ち私の元に歩み寄った。
｢‥可愛いい目､真っ黒で綺麗だね。吸い込まれそう｣
私の足元に座り、口角に指を添え夜神くんは笑いながら言う。
｢‥あ‥夜神く‥ん‥」
そのままキスをされた。
触れるだけの優しいキスがどんどん深くなる。
何も考えられなくなる。
器用に動く夜神くんの舌が私を酔わせた。
｢‥捜査っ‥中です‥っ｣
私は精一杯に自我を取り戻した。
つかさず反抗。
｢へぇ､じゃあ竜崎はいつも捜査中にこんなトコ硬くしてるの？ヤラしいね｡｣
私の太ももに手をかけ、少し擦られた。
｢んっ‥それはっ‥夜神くんがっ‥」
｢僕が何？勝手に感じてんのは竜崎だよ？」
勝手に‥？
‥何か許せないっ
私にだってプライドはある
｢か、感じてなどいませんよっ」
｢ふ-ん、強がりも大概にしないと、ね？」
｢あぁﾝっ‥はあっ‥｣
強く握られた。
強い刺激にクラクラする。
｢ふぁっ‥ちょっ‥｣
スボンに素手を入れられ戸惑った。
｢うわ−びちょ濡れ｡ヤラしい汁だね｡｣
｢うっ‥ふっ‥んんっ‥｣
そんな意地悪な言葉を並べなくたっていいのに。
なんか泣きそう。
｢一回イク？パンパンだし｡処理してないの？｣
｢あぁっ！‥ヤダっ‥放して下さっ‥んんぅっ!!」
いきなり夜神くんの口内が私を包んでしまった。
とうとう耐え切れなく涙が溢れた。
「んんぅっ‥アっ‥ヤダ‥やっ‥あぁっ‥」
夜神くんの口に捕らえられ頭が真っ白になる。
｢あっ‥もうっ‥出ちゃ‥あっあっ‥あぁんッ‥｣
私は全ての精を吐き出してしまった。
ぼーっとする頭と視界。
何にも考えられなかった。
夜神くんは頭を上げ、グイッと全てを飲み込みニコッと笑った。
｢‥量も濃さも凄いね｡自分で処理しないと駄目だってこの前も教えたでしょ？｣
僕がいなかったらどうすんの？と笑われた。
私は恥ずかしくて目をそらした。
｢‥捜査‥中ですので‥早く‥自分の御席に‥｣
私は精一杯の力を込めて抵抗した。
｢ん−‥どうしようかな｣
そう言いながら私の後口に触れた。
｢ひゃっ‥｣
｢吸い付いてる、ヤラシイね｡｣
｢やっ､いやっ、｣
自分の仕事の席で足を開かされ、後口に指を挿れられるなど‥
本当に恥ずかしい。
｢んんっ‥あっ‥ゃあっ｣
それでも感じてしまうのは気持ちいいから。
もうどうにでもなってしまいそう。
｢‥あ、捜査中だったな。仕事戻らないと。｣
｢ふぁっ…｣
いきなり指が引き抜かれ、夜神くんは自分の席に向かって歩き出してしまった。
｢夜神‥く‥？」
｢ん？なに、そんな物欲しげな目して。」
分かってる癖に‥
本当に意地悪。
「さーて、仕事仕事」
自分の席に座り仕事を始める夜神くん。
｢―‥っ……」
どうにもならなくて苦しかった。
心も‥身体も‥‥
―なんか泣きそう。
｢竜崎､泣いてるの？どうしたの？」
｢…夜神…くんが‥意地悪‥するから‥」
｢意地悪？そんな事してないよ？ただ捜査中だから仕事してるだけ。」
｢…そんなっ…」
｢何？シタイの？その気になっちゃった？」
何も答えられなかった。
図星過ぎて。
｢ただ捜査中だしなあ‥仕事中にする訳いないし｣
言葉を発する度に満悦の笑み。
さっきはあんなに凄い事したくせに。
｢…意地悪…です…っ」
｢いつも捜査中は真面目にしろって言ってんのは竜崎だよ？なのにその言葉はないだろ」
ニヤっと笑う。
｢…もうっ…やですっ…｣
｢なに、ヤラシイ顔して？誘ってる？」
ああ、
頭がクラクラする。
早く全てを開放したい。
｢いっぱい涙溜めて、どうしたいの？お願いがあるなら言って。ちゃんと言えたら従ってもいいよ」
私の涙を舐めながら言われた。
｢…本当…ですか？…」
｢嘘なんかついてない、本当だよ」
｢―…早く…」
｢ん？」
｢…して…下さ…」
｢何を？」
夜神くんのニヤケ顔が度を増した。
｢…もぅ…意地悪しないで下さ…」
私は限界だった。
苦しくて目眩がする。
｢…可愛いい。今凄くエロい顔してるよ？」
｢ン…」
耳を軽く噛まれた。
それさえも疼く。
｢…あっ…」
いきなりまた後口に触れられた。
｢うわー、いい反応。しかもいい具合に濡れててエロいね」
｢…ゃあっ…」
そんな意地悪な言葉にも反応してしまう。
｢可愛いい、だから虐めたくなっちゃうんだよ」
｢もうっ‥いいですから‥だからっ‥早くっ‥」
｢切羽詰まりまくりだね。可愛い。」
そう言いながら夜神くんは後口にまた指を滑らせた。
｢ンっ‥あっ‥んぅっ」
｢反応良過ぎじゃない？焦らすとこうなるの？」
｢知りませっ‥あぁっ‥ソコ‥いいですっ‥」
知らずに腰を揺らしてしまった。
｢なに、おねだりしてる？ココ？」
一番感じる所を指でえぐられた。
｢いやぁっ!!‥ソコ‥あっ‥あっ‥ンぅっ‥」
｢感度良すぎじゃない？凄くそそられる」
｢もうっ‥早くっ‥」
｢まだ慣らしてないよ？まだ無理だ」
｢大丈夫っ‥ですから‥だから‥もう‥焦らさないで早くっ‥くださ‥」
｢‥知らないよ？途中でヤメテって言っても止まれないからな。」
｢…ぁあっ…やぁんッ!!‥ンんぅ…ひゃあっ…｣
かなりの圧力が後口を襲った。
｢…っ…キツくない？大丈夫？｣
｢…っ丈夫…です…」
動きが止まり夜神くんは気遣ってくれる。
暖かい優しさ。
｢…動くよ」
｢はあっ…あっ…アっ…｣
ゆっくりと円を描くように動き始めた。
｢…本当に痛くないの？｣
｢‥っ丈夫‥で‥アっ‥あっ‥ンっ‥」
気持ちいい。
目眩を起こすほどに。
｢‥ゃあっ‥イイ‥もぅ‥ダメえ‥出ちゃっ‥」
｢もう少し‥我慢して」
｢イヤあッ‥ひど‥っ‥あっ‥ふぇっ‥」
夜神くんの指が私を根本から栓をし、出す事を禁じられた。
｢泣かないで‥一緒にイキたいんだ。ごめんね」
優しく微笑まれ、涙を舐めとられ‥
それだけで達しそうだった
｢‥ゃあッ‥あっ‥あっ‥早く‥ンっ‥」
｢っ‥じゃあ‥一緒に達こうか…」
私はコクコクと頷いた。
目に溢れんばかりの涙を溜めながら。
｢‥そんなに可愛いいから虐めてしまう‥っ‥許‥して‥‥っ‥」
｢はあっ‥‥ア‥ッ‥ンン‥あぁっ!!‥‥っ」
深い深い奥を突かれた時、躊躇する間もなく私は達した。
いきなり深い口付けが降ってきて、中で夜神くんが弾けたのが分かった。
‥‥‥‥
私の意識は朦朧とした。
視界が歪む。
｢−‥ごめんね」
隣で夜神くんが呟いた。
｢‥竜崎、好きだよ」
―虐められるのも嫌じゃない。貴方の愛を感じられるから。
｢‥大‥丈夫っ‥です‥｣
あれ？
声が枯れている。
いっぱい泣いたからかな？私も好きだと‥
貴方に伝えたいのに。
―言葉がないなら行動で。
私は夜神くんの肩に頬を寄せた。
｢‥竜崎？」
｢‥っ‥‥」
何故か涙が出た。
好き過ぎて。
｢―‥可愛いい、本当に好きだよ。」
夜神くんの手は私の頭を撫でた。
｢‥そんな可愛いい事されたらまたしたくなっちゃうよ。」
‥別にいいですよ。って言いたいけど‥
恥ずかしい。。
あ−もう開き直り。
｢‥今度は‥優しく‥して下さいね」
｢‥っ！？」
珍しく夜神くんが驚いた顔をした。
｢―‥愛してるよ」
｢私も‥です」
end
［前へ］［次へ］
[戻る]
