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キリリク
だって好きだから サン


 眞菜さんに渡された中身パンパンなマザーズバッグ(って言うんだって)を床に降ろして、

「この子は、秋子さんの友達の子供で秋哉くん。友達みんなでランチ行くからって子守り頼まれた。つーか、決定事項で覆せなかった」

「……そう。で、いつまで預かってるの?」

 あの秋子さん絡みじゃ仕方ないよな、とでも思ってそうな苦笑を浮かべて問われる。んー、聞いたらビックリすんぞ。


「積もる話があるから、夕方くらいには帰れるとイイな、と思ってるそうですよ。事前に迎えの連絡するけど、5時前は絶対ないってさ」

「……」

 無言のまま壁に掛けられてる時計を確認する紫雪。うん、見間違いじゃないよ、その時間。確かに11時だから。

 確実に6時間は迎えに来ない宣言されたんだ、俺らは。


「とりあえず。前向きに検討しよう。ユキ、子守りしたことある?」

「んー、昔ナツの面倒見た」

「却下。他には?」

「無いよ」

「因みに俺も無い…。どうしよう、困った」

 途方に暮れて天井を見上げる。家事のスキルは育児に関係ないから、あきらかに素人な二人で秋哉くんの面倒を見なきゃなのか…。


「そのデカいバッグ、何が入ってるの?」

 困る俺をよそに、ユキの関心はマザーズバッグへ。そうだ、育児グッズの説明をしなきゃ。

「秋哉くんお世話アイテム。まずはパンツタイプのオムツだろー、それとおしり拭き、これはオムツ用のゴミ箱。」

 ペットボトルに嵌めるタイプのストローや、秋哉くん用のスプーンとフォーク等々。かなりのアイテムの説明を一通り。

「すげー。母親ってそれ持ち歩いてんのかぁ」

「いや、今回は俺に長時間預けるのを見越して色々揃ってるみたい」

 でもやっぱり普段でも荷物は多いらしいけど。


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あきゅろす。
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