キリリク W 身の内で荒れる欲望と怒り。どちらも強烈な感情で、だから俺はコレに囚われる。 この感情から目を背けようとする奏南に、囚われる。 姉弟という枷が奏南にとって障壁であり最大の逃げ道であるならば――。 それを覆すほどの大罪を犯そう。 唾棄すべき雄共に摩耗させられた精神が壊れても構わない。 『弟』だから赦そうと努力されるくらいなら、赦されなくて構わない。 男として『橘禮』として憎まれるなら、嫌悪されるなら――この上なき幸福。 奏南が俺を一人の男として認識するのであれば―――本望。 大罪を犯そう――奏南にとっての大罪を。俺にとっての快楽を―――。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |