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絶対無敵!
一緒に住もうよ
 ――遠いんだよね、果てしなく。


 心の中で呟いて、俺は大きな溜め息を吐いた。そして自室のソファに寝転んで、目を閉じる…てか、体力回復を図るためには、閉じざるをえないって感じ。

 なにが遠いって、学校なんだよねー。

 自由な校風とか、
 楽しそうな文化祭とか、 沖縄への修学旅行(南国スキッ!)とか、
 そーゆートコが気に入って入学した高校は、片道1時間半の距離にあったりする…。

 郊外に家を建てたサラリーマンも毎日こなしてることだし、たいして苦にならないだろうと思ってた。しかし…


 毎朝5時半起きは辛すぎた…。


(沖縄につられた俺のバカちん…)

 自分を責めても、後の祭。まだ入学して二ヶ月。先は長い。



 超ブルーになって、地下300mまで沈んでいってる俺の耳に、突然入ってくる甲高い声。

「なっちゃ〜ん!降りてらっしゃ〜い!!」

 ―母親だ。そういえば、誰かお客さんが来てるらしい。階下が騒がしかったなぁ。

 俺は疲労で重たい体を引きずるようにして一歩ずつ階段を降り、半死人みたいな状態でリビングに顔を出した。

 途端に飛んでくる笑い声と言葉。

「あらー、なっちゃん!?大きくなったわねー」

「高校進学おめでとう、なっちゃん。どうだい、学校は?」

「久しぶり、なっちゃん。どうしたの?死にそうな顔をして」

 母方の親戚一家だ。こんにちは、と頭を下げておく。挨拶は基本だよねっ。

 しかし何だね、その『なっちゃん』て呼び方はやめて欲しい。ジュースの商品名みたいだし、しかも女の子の呼び方じゃんか。

 けど、それを訴えたところで「なっちゃん、て呼んだ方が可愛いじゃなーい」とか言われるのがオチ。可愛いを喜ぶ男子高校生っていないと思うけど。

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