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絶対無敵!
I
「紫雪の従兄弟です。ここに居候してます」

 …あ、相手が誰だかわからないのにペラペラ喋っちゃったよぅ。熱狂的なファンとかだったら、マズくない?

「あの、今紫雪いなくて…どちら様ですか?」

 今更確認取るとか遅くね?とかの苦情は受け付けませんYO!

『―紫雪の恋人。彼、何時頃帰ってくるのかしら?知ってます?』

 って聞かれた時点で気付くべきだったんだ。彼女ならユキの携帯番号知ってるハズだろ?とか、前もって予定聞いてるハズだろ?とかって。

 でも、丁寧な口調に好感度をぐんぐん引き上げてた俺は、そんなコトに気付きもしなかった。だから、

「さっき電話あって、10時頃帰って来るって言ってましたよ」

 なんて言っちゃった。

『そう…ありがとう。また出直しますね』

 最後まで礼儀正しく返答され、気をつけて、とか言っちゃった。←まだ気付いてない(涙)。

 声の感じからして、年上かな?セクシーで遊び慣れてそうな雰囲気のユキ(どうせ実際、遊び慣れてるんだろうさ)には、きっと年上の女性が似合うんだろうな。

「あーあ、俺も年上の彼女欲しいなー」

 なーんて呟いてみたりする。いや、年下でも同じ年でも、どーんとこい!なんだけどね。

 俺、年齢=彼女いない歴だから。恋したコトすら無いという(涙)。

 ごくたまーに告白されたけど、気持ちが伴わないのに付き合うって失礼な気がして、断ってた。少し古風なのかも。

 つらつらと考えながら、今度こそ本当に夕飯の支度を再開した。




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