絶対無敵! イトコ 冬だ、冬なのだ。すでに季節は冬到来。吐く息も白い。 「もう12月かぁ」 カレンダーを破りながら、感慨にふける。 ユキと同居を始めて、半年。そのうち二度も別れの危機。 いや、正確には一回か。一度目はまだ、付き合ってなかったから。肉体関係はあったけど(腐ってんなぁ…)。 「さぁて、朝ゴハン作ろ」 いつも通りの朝。今日は日曜で、俺のバイトは午後から。ユキは、10時に秋子さんが迎えに来ると言っていた。 炊飯器がピピッと炊き上がりを告げた時、インターホンが鳴った。 「秋子さん?にしては早いな。まだ8時だし」 首を傾げつつ応対すると、 『紫雪…?あれ、声が違う…』 たいがい同じ反応が返ってくるんだ。こいつも、昔の彼女か? 「イトコですけど。どちら様ですか?」 腹立ち(たぶん、きっと嫉妬だ)任せにぶっきらぼうに訊ねると、意外な答えが…。 『私も紫雪のイトコなんだけど。あなた、紫雪の母方のイトコ?』 「はあ」 『私は父方のイトコよ。紫雪いる?』 「います」 『じゃあ、上がらせて。紫雪に確認してもいいわよ。私は如月ユウナ』 「はぁ…。じゃあ、エントランスのロック外しますね」 『お願いね。じゃあ』 ブツリと切れた受話器を元に戻してロックを解除すると、寝室へ向かう。とりあえず玄関あける前に、確認しておこう。 「ユキー」 「…んー?」 まだ寝惚けた声が返ってくる。布団にしっかりくるまっちゃって、まぁ。 [次へ#] [戻る] |