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絶対無敵!
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 たらふく食事して風呂に入り、明日の用意を終えると10時。

「寝なきゃ」

 と言って寝室に向かおうとすると、ソファに座って呑気にテレビ見てたユキがビックリしたように振り返った。

「…まだ10時だよ」

「うん、でも毎日8時間睡眠が俺的モットーだから、寝る。おやすみ」

 明日は6時半には起きる予定だから、もう寝なきゃ間に合わん。

 いそいそとベッドに潜り込むと、フカフカやぁ。天気良かったから、布団干したんだろな。

 おかげで、幸福感に包まれながら俺はすぐに眠りの世界へと落ちていった。





「……もう終わった……だろ。…く帰……」

 夜中にふと、意識が浮上する。そう遠くない所で、誰かの声がする。

(誰…?)

 完全に寝惚けていた俺は、ここに俺とユキしか住んでないってことを失念していた。

 ので、声の主を知るべく耳をすましてみる。

「何度言えば解る?おまえとは、もう終わってるんだ」

(――!!)

 ドキッとする程冷たい声。突き放す、みたいな。一気に目が醒めたぞい。

 そして気付く。声の主がユキだってことに。

(こんなユキ、初めて)

 いつも俺の前では微笑み加減。とても穏やかで、落ち着いている。怒った顔なんて、一度も見たことないよ…。

「迷惑なんだよ、こんな真夜中に。さっさと帰れ」

(ユキでも、迷惑だなんて思うことあるんだ…)

 多分、インターホン越しの会話なんだと思う。電話だったら、帰れなんて言わないしさ。

(女、かな?)

 超モテるから、飽きたらポイッてすんのかな。羨ましいとも思うけど、本気で好きな人とかいないの?

 それとも浮気性?あっちフラフラ、こっちフラフラって?

(…イメージじゃないけどさぁ)

 テレビとかのイメージと、俺の知ってる実物ユキとの間には、けっこうなギャップがある。実際はとても気遣いのできる、好青年だよ?

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