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SAMURAI7+Dream
きゅっと、(9現パロ)







身も堪える寒さの中、なまえはふるっ、と体を震わせた。

雪の降らない空冷えは正直キツくて、隣にいたキュウゾウにふっついてみた。



「キュウゾ……、寒いね……」

「………まだ、普通だ。」

「それは……っ」




あんたは田舎暮らしもした事あるから、雪がドカスカ降る寒さだって大丈夫でしょ!

……という悪態をすんでの所で飲み込んで、ぷく、と膨れた。

つかの間、無情にも冷たい風が吹き抜ける。



「〜〜……っっ!!ミニスカなんか履いてくるんじゃなかった……っ!」



くーっ!と歯を食いしばり止まったら、彼も足を止めた。

年末カウントダウンデート、なんて気合いを入れたミニスカが仇で足止めを食うのは、やっぱりキュウゾウの予定にすらないらしい。
ちょっとだけ不機嫌に眉を寄せていた。



『……ちょっとくらい、心配してくれてもいいじゃない……』



楽しみにしてたのに、何だか急に悲しくなって俯いた。


別に、キュウゾウは悪くない。
冷たい訳でもない。
本当は優しいんだって知ってるの。





そんな私の心中なんか知らない街中の大型液晶が、カウントダウン5を宣言した。



4!

――あとで、キュウゾウに謝ろう……


3!

――それから、家に帰って……


2!

――あ、その前に、早く歩き出さなきゃ…


1!


――キュウゾウを、待たせちゃ駄目だよね……







そうして、私は顔を上げた。








A Happy New Year!!!!




そんな歓声よりも、私は包まれた温かさに目を見開いた。




「……今年も、頼む……」

「キュウゾウ………っ!!」




黄色い髪がふわふわとくすぐったくて、驚きの顔を微笑に変えた。













きゅっと、




―――あったかい……、ありがと

―――風邪をひくなよ……






*******



あけましておめでとうございます!




 

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