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Dreeeeeam!
めり、くりすとます(小十郎)





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「Merry X'maaaaaaas!!」


早朝。



伊達軍の青い陣幕が、異様な変貌を遂げていた。



「ちょっ……?!政宗さんっ?!」

「Oh,なまえ!Merry X'mas!」

「あ、メリークリスマス……。…って!違います!」



今までいた世界ではごく当たり前な言葉につい反応して返してしまった返事に、悲しくも自分でツッコミを入れた。


そう、おかしい。
明らかにおかしいのだ。
それを言いに来たのです!



「どうして陣幕を赤にしたんですか!」

「Hum?勿論そりゃあX'masだからだろ?」



全く悪びれる様子なく言ってのけた西洋かぶれの筆頭は、むしろフン、と踏ん反り返った。

それを見て溜め息をついた時、背筋を這う怒気に、ひやっとした。




これは、まずい。


ひとまず私は退散しようと政宗に背を向けたら、どうやら彼もこの後の事が読めたようだ。
引き攣り笑いながら、なまえの手をがっしり握っていた。




「は……Honeyからも説明頼むぜ……?でないとアイツは納得しねぇ……!」

「い、いやですよ放して下さい……!」

「ま、さ、む、ね、さ、ま、あぁあああ!!!!」





………遅かった。


般若の如く怒り狂った小十郎が、既に廊下の角を曲がりきってこちらに向かっている。



「へ、Hey,小十郎……!ど、どうした朝から……?」

「しらばっくれても無駄ですぞ!何なのですかこの赤の陣幕はっ……!敵、武田の赤に染まるおつもりですか!!?」



上体がつんのめる小十郎と反り返る政宗は、完全にそこで優勢劣勢が決まってしまった。

言葉遣いこそ丁寧だが、やはりそこは小十郎。そんなの微塵も感じさせない。

流石にこれでは筆頭が可哀相だと、私は怖ず怖ず口を挟んだ。




「あ……のぅ、小十郎……。この赤の陣幕はね、筆頭がクリスマスのお祝いにした事なんだよ……?なんだろ……紅白幕みたいな……?」

「なっ、そ……そうなので御座いますか……?」

「Y…Yhar……!西洋も中々粋だろぉ?!」



冷や汗をかいた政宗がつっかえながらも答えきると、小十郎は廊下で土下座。

やっぱり律義だと思うが、やり過ぎな気もする。


今日はその考えが政宗にもあったらしく、彼もまた廊下に胡座をかいて小十郎の面を上げさせた。



「まー、良いじゃねぇか。細かい事はいいんだよ、小十郎。」

「は……。」

「Merry X'mas!」

「め、めり……?」



余裕が回復した政宗の言葉に続こうと、耳慣れない単語を話そうとした小十郎さんが急に可愛く見えてしまったのは、心の内に仕舞っておいた。


そして、今度の筆頭の発言には、私も驚かされる事となる。




「とりあえずプレゼントは、『今日一日休み』だ!X'masは恋人と過ごす日って決まってっからな!」


「はっ?!」


「つー訳でなまえも休みだな!」


「ぇえっ?!」





最初からこの反応が楽しみだった、とでも言うように、政宗はにたぁと笑った。

分かっているのだが、照れ臭さから顔が赤くなっているのだろう。



それはなんと小十郎も一緒で。




「じゃっ、俺は部屋で飯でも食ってくるぜー。後はゆっくりしなー?」




十分笑ってから政宗はその場を立ち去り、残された私達の間には何とも言えない空気だけが残されてしまった。




「こ……小十郎……。メリークリスマス……。」




















―――……今日、どうする?

―――城下に、行くか?





*********



一日遅刻!



 

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