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GOLD RUSH!
プールに人魚5

 帰りのSHRが終わって、少しだらだらしてから教室を出ると、下駄箱の前に魚沼さんが居た。

「魚沼さん」
「え、あ、小鳥ちゃん」

 声を掛けると、慌てて振り返る。
 その拍子に鞄を落とした。
 とろそうっていう第一印象は間違っていなかったらしい。その上良い感じに挙動不審なひとだ。パニック癖が有るのか。

「慌てすぎ。髪ボサってるよ」

 急ぎすぎた動作のせいで、肩口までのウェービーヘアが乱れている。
 詩月ちゃんもだけど、珍しいくらいに黒い髪だ。
 魚沼さんは照れたように笑いながら、手櫛で髪を直す。

「鏡いる?」
「ううん、平気。ありがとう」

 おっとりとした笑顔は確かに癒し系で、みな子が気に入るのも解る。まぁ私の癒し系は志摩くんで充分なんだけど。

「魚沼さん、海とかプール好き?」
「えっ、す、好きだけど…」
「じゃあ夏休み前に来てくれたら一緒に行けたのにね」
「…あ、うん」
「まぁ仕方ないけど、残念だよね」
「うん」

 さっきから、うんしか言わないんだけど、この子。表情が徐々に泣きそうになっていくんだけど。
 私って苦手視されてるんだろうか。

「……はっきり言えば良いのに」

 泣きそうな声で魚沼さんが言った。

「何が?」

 訊ねると、魚沼さんが泣いた。え、何これ。非常に困る。
 誰か通り掛かったら、私が魚沼さんを苛めてるみたいな勘違いをされそうだ。

「昨日、見たんでしょ?わ、わたしが人間じゃないって知ってるんでしょ?」

(――は?)

「今、知ったけど…?」
「…ほぁ?」

 取り敢えず、場所を移しましょうか。





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あきゅろす。
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