[携帯モード] [URL送信]

GOLD RUSH!
プールに人魚1

「あ、小鳥おはよ」
「はよー莉子。まだ暑いねー」
「うわ、嬉しそうに」

 校門前で莉子に声を掛けられ、笑顔で会話スタート。
 このどうでもいい感じの会話が懐かしい。
 と、後ろから衝撃。

「うっ!?」
「おはようこっちゃん久しぶりー!」
「テンション高ぇよ」

 声でわかる。みな子だ。莉子が若干引いている。



 夏休みが明けた。
 休み前と変わったことと言えば、一部のクラスメイトと担任の髪型が変わった事くらい。
 他には…、操のメイクが変わっている。少し落ち着いたか。

「秋っぽいね、良い感じ」
「ありがとう!」

 他に変わったこと――…無いか。
 そもそも変化ってやつが解り易く訪れることなんてそうそう無い。
 有るとすれば例えば、

「転入生紹介するから静かにー」

 …まぁ、こういうパターンは解り易いかもしれない。

「転入生だって」
「初耳なんですけどー」
「どんな子だろ」

 ざわつく生徒たちの前で、担任は黒板に大きく『魚沼則佳』と書いた。
 女子っぽい。何て読むんだろう。
 おどおどした態度で教室に入ってきたのは、モデルのように背の高い女子。
 あ、躓いた。

「あの、にゃっ、ななぬまのりかですっ」

 噛んだ瞬間情けなく歪んだ表情に抱いた印象としては、

(うわ、とろそう)

 …まぁ緊張しているんだろう。
 でかいのに小動物系キャラかー、なんて少し笑った。

「よろしくお願いします…」

 噛んだことに落ち込んでいるのか、恥ずかしそうに俯く魚沼さん。
 いやしかし、ななぬまのりかって確かに言いにくいわ。





[次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!