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GOLD RUSH!
蛇とランドセル4

 翌朝、よく晴れた。
 カーテンを開けたら、かなり日射しが強かった。
 体質的に黒く焼けないし赤くなったりもしないけど、一応日焼け止めは塗っておく。老後にシミだらけになるってお母さんにも散々言われているから、そこはきちんとしておこう。
 食パンにベーコンエッグ、コンソメスープ。牛乳の代わりにオレンジジュースと緑茶。オーソドックスな朝食を済ませ歯を磨く。寝癖発見で微妙に気分が盛り下がる。
 髪を直し、凍らせた水入りペットボトルをスクールバックに突っ込んで家を出た。
 暫く歩いたところで明音ちゃんに遭遇した。擦れ違う瞬間、声を掛けられる。

「おはよーお姉さん!」
「はよ、明音ちゃん」

 知り合いになったから、朝の挨拶を。
 明音ちゃんは朝から元気だ。暑いから汗だくだけど。
 私もよく汗を掻くから困る。冬でもシャワーが欠かせない。それでも何故か風邪はひかない。健康には気を遣っているから。

「ねぇ、お姉さんってしづのこと嫌い?」
「いや普通に好き。何で?」
「だってしづ凹んでたし。苛めないでよね、ウチのなんだから!」

 苛めた覚えは無いんだけど、私の台詞のせいで凹んだのは確かだ。明音ちゃん意外と鋭い。そして意外なジャイアニズム。所有物扱いなんて、オープンな俺様だ。

「苛めてないって」
「嘘だったらトラックぶつけるんだからねっ」

 ナチュラルに殺人予告。最近の小学生は怖いなぁ。
 言った相手が私というところが笑えると思いながら、新たに突っ込み所を発見した。



 小学生に守られる神様って。





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あきゅろす。
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