GOLD RUSH!
天狗面6
空霧くんとばっくんも帰って、六時間もすれば他のバイトさんと交代だ。最近入ってきた人で、至って普通の大学生のお兄さんである。
「あ、この前の子だ」
信号待ちしていると、隣りから驚いたような呟きが聞こえた。聞き覚えの有る声だったので見てみたら、いつぞやのナンパくんが私を見下ろしていた。
にこにこと人好きのする笑みを浮かべている。
「今日もバイト?」
「終わって、今帰りだけどね」
肯くと、ナンパくんは笑みを深めた。
「じゃあ今日は、ナンパされてくれるかなー?」
あ、このノリは、あれだ。
「いいともー」
お昼の生番組的な。
くすくすと笑い合って、とりあえず喫茶店に入った。
最近、外でお茶する機会が多いな。
「ところで、名前なんていうの?」
「椋告小鳥です。そっちは?」
「倉間優。よろしくね」
…ある意味、奇跡のエンカウント。
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