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GOLD RUSH!
天狗面1

 友人の持ってきた雑誌を誰かの机の上に広げて囲みながら、みな子が私に声を掛ける。

「こっちゃん、今日はバイト?」
「うん、そう」
「小鳥のバイトの先輩ってかっこいいんでしょ?」

 他の友人(思ってないけど、便宜上そう呼んでおく)が目を輝かせた。まじで?と揃ってこちらを見る。
 ちなみにメンバーは、やや男勝りな茶髪娘のギャルい莉子、黒髪ショートボブのちっさい双子の杏奈と由奈、巻いた茶髪の気が強いけど女の子らしい操。

「超・男前だよ!!」

 みな子が断言した。心なしか鼻息が荒い。…勘弁してよ…。

「何でみな子が自慢すんの」
「私、始有さんファン一号だしー」
「なにそれ」
「まじか?こっちゃん」
「初対面で手握ってたよ。『お兄さんかっこいいですね!』」
「うわ…、最悪だわ」
「めっちゃウザい女だな」
「「まぁ、みな子だしね〜」」
「また会いたいぃ〜…。こっちゃん」

 向けられた、縋るような瞳。

「だめ」
「まだ何も言ってないよ!?」
「バイト先は教えません」
「…けち」
「絶対居座る気でしょ」
「そんなことしないもん!多分!」
「多分かよ」
「信用できないわね」
「「まぁ、みな子だしね〜」」

 友人はきゃはきゃはと笑う。
 女子の笑い声って、どうしてこうも耳障りなんだろう。

「あ、時間やばっ!私もう行くわ!」
「バイト頑張ってねー」
「「ファイトー」」

 ばいばーい、と笑顔でみな子たちに手を振って教室を出た。




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