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自由と強制


「あ 今言ったね?ねえ皆今の聞いたよね!?」


『は…?』


沢田さんの問いかけに他の方々は大きく頷いた。しかもシンクロして。

いまいち状況が掴めない私は頭の上にはてなを浮かべるばかりで何もできない。


「じゃあ名前ちゃんがここに住むことは決定だから。荷物も全部部下に持ってこさせるから」


『え、学校は?』


「こっから通うんだぞ」


『…家には帰らないの?』


「ははっ何言ってんだ?今日からここが名前ん家だろ?」


……あれ?


「当分家には帰さないよ?」


もしかして私…


『ハメられた!?』


「誰もオメーをハメてねーよ。10代目のお言葉に自分で返事しただろーが?」


しっ…しまったァァァ!!
そうだよ何やってんだよ私!?もとはと言えば、ここに私がいるのは沢田さんに拉致られたからなんだよ!
それなのに自ら加害者にお世話になります宣言しちゃったよ。完全に流されたよ。あぁもう、絶対帰れないよ!


『あっでも沢田さんさっき強制じゃないって言ったじゃないですか!!』


「うん、確かに言ったけど名前ちゃんが居たいって言ったんだから強制じゃないよね」


『んなバカな!』


そんなのあり!?


「ま、諦めるんだな。ここでの生活も悪くねーぞ」


「ちなみに逃げようとしても無駄だぜ」


『…ははは』



そんな事があって、冒頭の登校に至るわけです。泣きたいです。



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