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the Golden Age
穢れた血狩り2

箒暴走による将来のプロクィディッチ選手の怪我騒動の中、落ち込んでいるエラを友人が励ました。

彼らはエラがクィディッチ選手に同情しているのだと思ったのだ。
ありがたい勘違いと、訂正はしなかった。

エラは友人の2人をうらやんていた。

楽しみにしていたホグワーツだが、帽子をかぶってすぐ組分けられたスリザリンで同い年の女子は3人。
エラが兄に絡まれているうちに、他の2人が仲好くなってしまったのだ。
割って入るわけにもいかず、かといって1人行動も嫌で一緒に学内移動や食事をしていたが、しっくりいかない。
部屋の居心地が悪かった。

別に仲が悪いわけでもなかったが、女の子が3人奇数だとうまくいかないのだ。
自然とエラは彼女達から離れていった。

孤立したエラに声をかけてきたのが、ブラック・ツインことオリオンとシグナスだ。
ブラック家は有名だし、躊躇いもあったけど、兄がいるエラにとっては男の子達と過ごす方が楽しい。
仲好し3人組での行動が多くなった。

最初こそ王家ブラックの家名が気になったが、そんなこと関係なく彼らはいい友達だ。
兄のように乱暴で暴力的なところがないので、過ごしやすい。

男の子2人と仲良くなると、今度は他の寮の子達が噂した。
<2人を手玉に取った>ですって。
バカバカしい。私はいつか物静かで優雅な魔法使いと恋に落ちるのだから。
噂は学年をまたぎ、兄エヴァンの耳にも入ってしまった。

兄は噂を聞きつけ、「どちらに嫁いでも将来安泰だ。よくやった。」とからかった。
エラの頭をガシガシとなでつける手が声が談話室中の注目を更に集めることになり、
本気で怒ったエラに対して、事実だと取り合わなかった。

かっとなりタップダンスの呪いをかけてやったが、破られて逆に足縛りの呪いを掛けられ、
上級生のヴァルブルガ・ブラックが終了呪文を唱えてくれるまで、暖炉の前で火にさらされ顔が真っ赤になってしまった。

嫁ぐなんて恥ずかしい事言われて、呪いまでかけられて、最悪だ。
私もシグナスみたいに穏やかな兄や姉が欲しかった。

シグナスには、ひとつ年上のアルフォード、ヴァルブルガがいた。
ヴァルブルガは厳格を絵に描いたような人だけど、決して家族に呪いをかけたりはしないだろう。
兄はいかれている。

ブラックは旧家の中でも長く続いた純血の一族で、王家とも言える。
ヴァルブルガはその手本とも言える人だった。
見るからに貴族と言った風貌。
背は高く、手入れの行き届いた美しい黒髪をひっつめ後ろに流していた。
弟が2人いて、上がアルフォード(エラの一つ年上)下がシグナス。


エラを助けたバルブルガは、親友シグナスの姉なのだ。
それなのにちっとも親しみを覚えないのは、彼女の外見によるところが大きいだろう。
普段バカ騒ぎをしているときにヴァルブルガが談話室に現れ、意志の強そうな眉がつりあがったりするのを見ると怖かった。
実際に注意を受けたりする。

「父も母も旧家の恥さらしになるのを望みませんよ」
シグナスは平気で姉の口癖をモノマネをしたし、オリオンも笑っていた。

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