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the Golden Age
パーティ後 ブラックツインズ
「散々だったね。」シグナスがオリオンに話しかけた。
屋敷に戻るとアルは生物図鑑でクジャクを調べるからと書斎へと向かった。
レティはまだ帰っておらず、ハウスエルフに紅茶を持ってこさせ同い年の二人は休憩していた。

「所詮は成金が金に物を言わせたパーティだ。
もう2度と行かないさ。高貴なるブラック家が参加する価値はない。」

「ワォ、オリオンって辛らつだよね。」
シグナスが大きな目を見開き苦笑いを浮かべる。
「ブラックなら皆そう思うだろう。」
「僕はそう思わなかったよ。あと何年かしたら楽しめるかもしれないと…そう怒るなよ!」
「マルフォイのパーティなど、高貴なるブラック家が参加する価値はない。」

語気を強めたオリオンにやれやれというジェスチャーを浮かべ、言った。
「ヴァルが言いそうだ。」

「君の姉上だろう。」
「厳しくて真面目で。僕ら弟より君の方が意見が合いそうだよね。」
「シグナス?」
「正直ついていけないさ。人生を楽しんで何が悪い!」

吠えるように言ったシグナスの黒い瞳が燃えていた。

ー 人生を楽しんで何が悪い!

いとこ兼友人の吐き出した言葉が次第に奥底で毒となり、じわじわと広がっていく。

人生を楽しむ、それ以前にオリオンは本家の総領息子としての責任があった。

同じブラックでもシグナスの前にある道とオリオンの前にある道は一緒ではないのだ。

シグナスは希望の名の下、まだ見ぬ土を踏み、歩くだろう。
双子ともいえる相棒を遠く感じた。

自分の道は多くの人間が続く道なのだ。
どんなに退屈で凡庸だとしても、歩みを止めることは許されない。

輝かしいブラック家の未来が続くのだ。
純血で、高貴で、由緒正しい魔法界の実質王家とも言えるブラック家。



オリオン・ブラック、跡取り息子、1942年
ホグワーツの2年目を迎える前の夏の出来事だった。


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あきゅろす。
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