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夢の小桜
黒猫吸血鬼と吸血鬼少女【クロ】
もし、身近に吸血鬼がいいたら、貴方はどうしますかーーー?

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「クロ〜、寒いから抱っこさせて。そして癒してくれ」
「は?めんどくせぇ。お前とは向き合いたくねーよ」
「そんなこと言わずにさー。ねぇクロー」
季節は真冬。
外は凍えるように寒いある日の昼下がり。
雪華とクロことスリーピーアッシュは、城田真昼宅にてコタツにあたりながらまったりと寛いでいた。
「お前ら………、寛ぎすぎだ!吸血鬼の癖になんでこんなにダラダラしてんだよ!」
「えー?ダラダラなんてしてないよ。体を休めているのだよ?」
失礼なことを言うね。そう言ってまたダラダラとしはじめる。
そうそうとクロも同意し、ゴロンと寝転がる。
…………こんなにもダラダラと怠惰に浸っているが、この2人…否、2匹は本物の吸血鬼なのだ。
「それでクロや。なんで猫の姿になってくれないのかね?いつもは俺で癒されろとか言って猫の姿になってるくせに」
「………答えんのもめんどくせぇ。とにかく嫌だ」
「むぅ…。いいもん。そう言うなら最終手段をとるから」
雪華は1度こたつから出て窓際のカーテンに手をかけた。すると、クロは少し慌てた様子になる。
「お、おい…、まさか……」
「クロが素直に猫にならないのが悪いんだよ?」
そして、カーテンを一気に開け放った。すると………
「………お前、覚えてろよ」
クロは黒い子猫の姿になっていた。
雪華は満足そうに顔を綻ばせると、クロを向き合うように抱っこし、再びこたつに入り寝転がった。
「いいじゃん。別に減るものでもないんだから」
「なんなんだよ。今日はいつにもまして向き合えねー」
しかし、クロがそう言っている間に雪華からは規則正しい寝息が聞こえてくる。
クロが雪華をみあげれば、そこには幸せそうな、無防備で可愛らしい寝顔があった。
「クロ…す…き……」
「……………はぁ、適わねぇな。向き合えねーよ、ホント」
そう呟くと、クロも静かな寝息を立てはじめる。
それから少しして、真昼がクロを呼びにこたつのところへ来た。
「またクロが折れたのか。………まぁ、何だかんだでこいつらは両想いだしな」
両想いとはいっても、別に付き合っているワケではない。
ただ、両者からそういった悩みを相談されているのだ。いまだに両者とも想いを告げられずにいるようだが。
「いい加減に雪華と向き合えよな。クロ」
そう言って、真昼はカーテンを閉めた。
クロは人間の姿に戻り、クロが雪華を抱きしめて眠っているような構図になる。この後、先に目が覚めたクロが雪華の唇に自らのそれを落とすまであとーーーー




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あきゅろす。
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