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夢の小桜
小さな幼馴染み【日向翔陽】
私は最近、胸がモヤモヤしている。
その原因は、おそらく小さな幼馴染みの日向翔陽。
私よりも少し背の低い翔陽は、バレーがすごく好きで、部員が足りなくて部活動ができなくても、友達に声をかけて学校の廊下でやったり、ママさん達に混ざって練習をやらせてもらったりしていた。
私はバレーを楽しそうにやっている翔陽が好きで、中学の時は弟みたいな感覚で見守っていた。
そして烏野高校に入学し影山飛雄に因縁の再会をして、色々あったものの2人コンビの"変人速攻"を編み出し前よりもずっと生き生きするようになった。
私の中の翔陽に対する感覚もいつしか変わっていき、いつの間にか私は翔陽を一人の男の子として好きになっていた。
……当の本人はきっと気付いていないだろうけど。
雪華「はぁ…(自覚したはいいものの、どうしたら翔陽に伝わるかな……」
こういう事にはすごく鈍感そう…というより、きっと鈍感だろうからそれなりにストレートに言わなければ伝わらないだろう。
そんな風にモヤモヤと考えていると、いつの間にか放課後になっていた。
雪華「部活行かなきゃ…」
教室を出て体育館に向かうと、影山くんに会った。行き先は同じだからということで一緒に体育館へ行くことになった。
影山「そういえばお前、成績良かったよな?」
雪華「え?ああ、うん。まあそれなりにはね。急にどうしたの?」
影山「いや…、実は来週に英語と国語の小テストがあるんだが……」
雪華「なるほど。それで勉強を見て欲しいと。そういうことだね?君」
影山「あ、ああ…。てか誰の口調だよそれ」
雪華「突っ込むのそこか(笑)まあ、ツッキーくんに頼んで、結局理解できなくて部活に参加出来なくなっても困るもんね。いいよ、見てあげようじゃないか」
私は終始クスクスと笑いながら影山くんと話しながら歩いていた。
体育館に着くと、先生と大地さん以外は皆既に来ていた。
私は影山くんと別れ、潔子先輩とマネジの仕事をテキパキと済ませていった。
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雪華「ふぅ〜終わったぁ……」
潔子「お疲れ様」
雪華「い、いえ!潔子先輩こそお疲れ様でした!!」
それにしても、翔陽と影山くんの速攻はそれなりに様になってきてるなぁ…。
翔陽に関してはすごく生き生きしてるし。
潔子「日向のこと考えてる?」
雪華「へ!?そ、そんなに分かりやすいですかね……?」
潔子「うん。結構顔に出てるよ」
雪華「うぅ……。申し訳ないです」
その後、私は校門のところで翔陽が来るのを待っていた。
日向「おーい雪華ー!待たせてごめん!!」
雪華「いいよ(笑)それより、部活お疲れ様。体冷やさないようにしなきゃダメだよ?」
日向「分かってる!」
今日は珍しく自転車登校ではなかったようで、私達は暗い夜道を連れ立って帰る。
少しの沈黙のあと、翔陽が緊張したような声音で話し出した。
日向「な、なぁ雪華」
雪華「んー?何かな」
日向「お前さ、影山のこと…好き、なのか……?」
雪華「……………………………へ?」
日向「なんか最近、雪華と影山仲いいだろ?だから…」
雪華「だからって何故そうなる!私には他に好きな人いるもん!」
日向「え!だ、誰だよ!!」
雪華「そ、それは……」
や、やばいぞ…!つい勢いで意中の人がいることを言ってしまった!
口ごもる私に痺れを切らしたのか、翔陽は俯きながら声を張って言った。
日向「お、おお俺は!お前のことが好きだ!!幼馴染みとしてじゃなく、一人にょ(の)いしぇい(異性)として!」
………なんか大切なところで噛んでたけど、翔陽は確かに私のことを"一人の異性として好きだ"そう言ってくれた。
雪華「翔陽…」
私は嬉しさのあまり、まぶたが熱くなるのを感じた。
翔陽は恐る恐る顔をあげ、私の方を見る。すると、涙を見たのかギョッとしたような表情になる。
日向「お、おい雪華!?もしかして嫌だったのか!?なんかごめん!!」
雪華「ち、違うの!その、嬉しくって…!翔陽はこういう事にはすごく疎くて、気付いたりしないと思ってたから…」
日向「あれ…?なんかすごい言われよう…?」
雪華「でも、ありがとう翔陽!私も翔陽のこと好きだよ。幼馴染みとしてじゃなく、異性として」
日向「おう!」
そして、私達は冷えた手を絡め、月明かりに照らされた帰り道をいつもよりゆっくりと歩いて帰った。

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(影山くん、今日は調子いいみたいだね)
(さすが雪咲だな)
(あ、おい影山!雪華はおれの彼女だぞ!!)
(ふふ私の好きな人は翔陽だけだから大丈夫だよ!)
(わ、分かってる!!////)


‡END‡



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あきゅろす。
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