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初々しく*忍跡

「忍足っ!」

部活中に携帯弄るなんて許さないと言わんばかりに跡部が勢いよく忍足のケータイを取り上げる。


「な!?なにするんや!!返しぃっ」
「アン?部活が終わるまで没収だ」
「……鬼」
「アーン」

ギロッと睨む跡部に忍足はしゅんっと小さくなる。ふと忍足のケータイを除き込めばメールの画面、しかも打ってる最中のようだ。


「アン?…っ…」
「ちょ!?読むなや」


『愛してる…誰よりも一番お前が好き。ずっと好き…早く俺のものになって?』


「…好きな奴にでも送るのか?」
「送るわけないやろ、…ただ書いただけや…」
「……お前がここまで本気になるなんてな」

ふと感じたもやもやに跡部は眉間にシワをよせた。


「相手は誰だ?」
「気になるん?」
「……別に」

跡部の気持ちを見抜いた忍足はニヤリと笑う。


「お前に書いたんやで」
「……!!」


跡部はきょとんとし蒼い瞳を動揺に揺れさせ白い頬を赤く染めた。


「アン?口で言わなきゃわからねぇな」
「うわ…、めっちゃ可愛え事言うんやな」「それどう意味…っ……!!」


反論しようとうっすら開いた跡部の唇はすぐに忍足の唇で塞がれた。
「こういうことや…まだ解らんならもっと詳しく教えたるで?」
「遠慮するっ!!」


よろよろとよろめきながら相手と距離を置き悔しそうに見つめ。



「しょうがないから…付き合ってやるよ」
「…願ったり叶ったりなくせに」
「あ゛?」
「すまんすまん」


ケラケラ笑って頭をクシャクシャ撫で回す。跡部の鋭い睨みも今の忍足には効果無しのようだ。

「ずっと一緒に居ような」
「アン?…好きにしろ…」




いつまでも、この初々しい気持ちを忘れなければ…。
ずっと好きで居られたら…。






新しい制服を纏った忍足は跡部に目もくれず通りすぎた。







ラストは二人卒業してしまって別々の道を歩んでいった。って感じです(笑)

切ないな―。



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