[通常モード] [URL送信]

まぁるいしかく

そしてまた、頭が白くなる程の絶頂を迎えた。










おはよー、と廊下から教室から声がする。

月から金と毎日毎日聞く、賑やかな声。

「うはよ、磯木」
「おー、高山」

後から教室に入ってきた轍に、縣が声をかけ、轍がそれに応える。

昨日の事など、何も知りません、とばかりな顔をして、お互いテレビ番組等の話しをし始めた。

「おー、磯木に高山ぁ。課題やったか?」
「俺様がやる訳ねえだろ。江原は?」
「やってねぇ」
「俺はやったよ」

クラスメイトが話しかけて轍がそれに返す。
二人して、ははは、やっぱりな、と笑っている横で、縣が呟いた。

「えっ、いつ?!」
「お前が帰った後。んーっとね、海外のドラマ観ながら」
「まじかよーっ!俺ヤる事しか頭なかったぜ」

あぁぁぁー!!と叫んで頭を抱える轍の言葉に、江原と呼ばれた少年が反応した。

「なん、お前?ヤッたのか?」
「……秘密」
「秘密て…おとめか……あっ!キスマークっ!ったく、羨ましいぜ…」
「ははは、羨め羨め」
「つか、あれ?彼女と別れたって言わなかった?」
「……ははは、秘密だ」

ずりぃ〜ぞお前ばっかぁー!!と言う江原の声に、何だ何だと近くの席の男子が集まって来た。

「何なに〜?ピンク色な話?」
「磯木ばっかモテてやんの」
「えっ、こんあいだ別れたって言ったばっかで?」
「うふふー、ごめんね。僕ばっか」

ちくしょー、アホなくせにー!と江原が轍の両肩に手をついてしな垂れかかり、泣きまねをした。

「はいはい、元気だねぇ。ほら江原、ノート写さしてやるから」
「えっ、まじ?!さんきゅー!」

轍の両肩に置いていた江原の手をどかしながら、縣はノートを江原に見せた。
その瞬間、がばりと轍から離れ、ノートを受け取り席に着き、他にも課題をし忘れたクラスメイトと共に、熱心に写していた。

「あ、高山、後で俺にも見せろな」
「はいはい」

轍の後ろから両手をだらりと垂らし、肩に顎を乗せて、そしてそれを振り払う事も無く、そのまま残った男子と雑談をまた始めた。

「お、おはよー山本」

後ろの入り口から入って来た生徒を見つけ、雑談の途中でクラスメイトが声をかけた。



[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!