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コントラスト
4
「行ってもらいたいところ…?」
「うむ、梨月はまだ16歳じゃろう。学校へ行く歳じゃ」


梨月はまだ16歳、フランスでは高校に通っていた。
クォーターであり、フランスで長く暮らしていた梨月はフランス語も難なくしゃべれるし、性格的な面で友達にも囲まれ、それなりにいい高校生ライフを送っていたのだ。

…これからも送る予定だったのだが。


「え、高校!?」


梨月の声のトーンがわずかにあがる。
フランスで暮らしていたといっても梨月の四分の三は日本人なのだ。
容姿的にも、フランスよりは日本に居やすいと思っていた。

今回のことが久仁やエリの配慮でもあるということには梨月は気づいていないのだが。


「そこでな、ワシの友人が学園の理事をしていて、梨月を欲しいといっておる」
「俺を?」
「ああ、なかなか信用している奴じゃし、かなり評判の良い学園じゃ」


断る理由もない梨月は首を縦にふる。


「長谷部」
「失礼します」
「こやつについていけ」
「え…?」


上品な雰囲気の初老が部屋に入ってくる。
これが長谷部との初対面だ。

梨月はいきなりの急展開に元織を見る。

嫌みなほどいい笑顔だった。


「今日から、お前は桜海学園に通う」
「今日から!!!?」

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あきゅろす。
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