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保健室の先生
4
ザワザワとに賑わうローカ

そこを歩く二人の男子生と女子生


『入学式つまんなかったね〜』


「オメェーは殆ど寝てたろィ」


「お前もだろ」


欠伸をする二人に、土方はヤレヤレとため息を吐く


「ん?お前何持ってんでィ?」


沖田は少女の手に持っている紙に気付き問いかけてみた


『ん?ああ、これ?これ学校の地図だよ』


「なんで地図なんか持ってんだ?」


ピラッと、二人に見えるように開きながら印を付けている所に指差した


『保健室。私、保健委員になったの。先に見に行っておこうと思ってさ』


既に学校説明会でクラス分けと委員会決めは行われており、自ら保健委員に志願したのだった


「んじゃ俺等は先に行ってるぜィ」


「遅れんじゃねーぞ」


「うん」


立ち止まり地図を眺め始めた少女をその場に二人は先に進んだ


角に曲がる前に、二人は少女の姿を確認しようと振り向くと…


『えっと…右?…左?』


いまだ、地図と睨めっこしていた


「あれ、また遅れますねィ」


「だな」


明らかに迷ってしまいそうな少女に、二人は気にする様子もなく角を曲がって教室に向かった














コーヒーの匂いが立ち込める国語準備室


「あーつまんなかったな〜毎回同じ話しかしねーもんな〜あのトサカ校長」


「お前ェは寝てただけだろがぁ」


窓枠を背にもたれかかってる高杉と、同じく窓枠を背にし、背もたれを前に椅子に跨り座っている銀八


「で?」


「何がだぁ?」


銀八は跨っている椅子の背もたれに手と顎を乗せ、眼だけを高杉に向けた

そんな銀八に高杉は目を向けることなく


「いやぁさ〜」


高杉の態度に銀八は面白そうに、ニヤリを笑いながらタバコに火を付けた


「なんで、生徒の名簿見せてぇ〜って来たのかなってさv」


「そんなキモい言い方してねぇだろ(怒)」


イラつきながら、コーヒーを窓枠の空いた所に少し強めに置いた


「別に…深い意味はねぇよ…」


静かな声で言う高杉に、銀八はニヤニヤしたまま


「ふぅん、まあ、可愛い子がいたら紹介してよ」


「(怒)だから…」


銀八の態度に苛立ちを見せながらも、ため息を吐き


「もういい…」


怒るだけ無駄と、諦めて足を進めた


「お?もう行くの?」


「いつまでも保健室開けておけねぇだろ」


ドアノブに手を掛けて、ガチャリと開けば銀八に向き直り


「つーか、お前も早く教室いけよ。HR始まるだろがぁ」


「へいへーい」


バタンと閉まった扉を見ながら、スウっとタバコを吸い、急ぐ様子もなく、銀八は長机に置いてある生徒名簿に手をのばした


「おめぇーがよ…」


フゥと、煙を吹かして手に持っていたタバコを灰皿に置き、眼鏡を掛けた


「興味ねぇことするとは…」


生徒名簿をパラと開いた


「思えねぇんだわ…」


名簿をペラペラとめくり


「誰かな〜?」


口元を緩めながら、名簿を眺めた。










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