保健室の先生
3
《ただ今から入学式を始めます。始めの言葉》
『なんだ…まだ始まったばっかりじゃんv』
慌てて体育館に入ると、会場には新入生、在校生、父兄やら大勢の人で溢れかえっていた
『こういう時…小さくて良かったって思う…ι』
まだ、最初のプログラムで全員立っていた為、周りからはジロジロと見られたが、何とかこっそりと入ることが出来た
「…ん?」
『すいません。すいません』と小さい声で人を掻き分けて入っていく少女
それに気付いた一人の教員
あれ…俺のクラスの遅刻者だな…
「ま、いいけど」
そんなこと気にすることもなく、その教員は白衣を着て銀髪の髪を揺らし、やる気の無い眼で少女が席に着くまで見送っていた
すると、背後に人の気配を感じた
後ろにに眼を向けると同じく白衣を着た男が隣の席へと着いた
「どったの?高杉ぃ?珍しく遅ぇじゃん?」
「うるせー」
「あらら、機嫌悪ぃーの」
「銀八ぃ…なんでお前ぇが白衣着てんだよ。国語教師だろうがぁ」
「雰囲気?」
「どんな雰囲気だ」
不機嫌丸出しの高杉に銀八は気にする感じもなくおどけてみせ、その様子にチッと舌打ちをした
《…であるからして…》
「間に合ったv」
「いや、間に合ってねぇだろぃ」
「お前等静かにしろよ…ι」
自分の席に着き、一安心してると近くに見知った顔ぶれがいた。
「あ、土方君。沖田君。おはよー」
「おはよーじゃ、ねーだろ!何寄りによってこんな日に遅刻してんだよ!」
「うるせー土方。死ねよ」
「総悟ぉ!!」
そんな遣り取りを始める、眼の鋭い黒髪の少年と金髪の少年
銀魂高校に入学し、同じクラスになった生徒の殆どが、中学からの仲良しがばかり
この二人もそう
高校生活も変わんないんだろーな。と思いつつ、少女は舞台に立って長々と話している校長を見ながら眠気に襲われていった
『なんでトサカ…?』
校長の額にある謎の物体を見ながら、眠りの世界へと誘われた
《学生の本文として勉学に励み…》
「かぁ〜…ぐぅ…」
「おい、寝るなよ」
隣でだらしなく口を開けて寝る銀八を、高杉は冷めた目で見てため息をついた
それぞれの会話がある中、入学式はどんどん進行していった
《これにて、入学式を終わります》
《では、それぞれのクラスに分かれて退場》
号令とともに、入学生は退場をしていった。
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