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銀色世界で二人三脚
宇宙海賊と事務長と副長っ!
寝ていたみんなが起きて、仕事に取り組み始めるころ。


「夜勤組のみんなァー。よくやってくれたー」

「「「おーう」」」


夜勤組は引き継ぎを終えて休みを迎える。


「かいさーん!」

「「「おつかれっしたぁ」」」


夜勤組だった畑山進後のいる隊は、大きな事件に振り回されることなく終わりを迎えた。


「事務長、おはよう」

「おはようございます」


帰宅するため玄関へと向かう途中、これから朝礼の隊士達と挨拶を交わしていく。


「あれ、もう事務長が居る?‥ああ、夜勤だったんか」

「夜勤お疲れっ!」

「はい。皆さんもお気をつけて」


本音は寝たくて仕方ない畑山だが、帰れると思うとニコニコと笑みがこぼれる。

(午後から万事屋に出かけられる!待ってて自分の癒やし!!)

脳内で午後の予定まで決めている畑山は、軽い足取りで廊下を進む。


「畑山、か?」


その彼を誰かが呼び止めた。
真選組に入って日は経つから声でわかる。と言うより、呼び方で分かってしまう。
呼び止めた人物は、鬼の副長だ。


「おはようございます、副長」

「おう。夜勤お疲れ」


普段なら土方の外見、その他もろもろの怖さに緊張しまくりの小心者畑山。
だが今は機嫌が良かったため、寝癖のある土方を見て普段なら控える行動が少し違ってしまった。


「あ、副長‥‥」

「ん?‥‥っ?!」


スッと自然な動作で伸ばされた畑山の手が、土方の髪をスイスイと繰り返しすく。
された土方は、少なからず想いを寄せる人物からの急な接近に驚き固まってしまう。

(なんっ、なななんだ!?俺はまだ夢でも見てんのかァ??夢だろこれ!いや夢じゃない方が良いんだけどよ?)

土方が戸惑いまじまじと畑山を見ていると、目が合う二人。


(はははっ、副長の寝癖なんて初めて見‥‥‥自分いま何をしちゃってんのォ?!)


目が合ったことで休みに浮かれた畑山の意識が己の失態を認識し、土方の髪をすいていた手はそろそろと戻っていく。


「す、すいません!髪が少し跳ねていたので、ついですね!?すいませんでした!」
(やばっ思考が飛んでた!!どーすんだコレ殺される?!)

「い、いや。気を使わせて悪いな」
(畑山に撫でられた撫でられた撫でられた!夢じゃねーよどーする今日頭洗えねェェ!!)


「あはは‥‥では、失礼します」
(あれ、助かった?‥ぁあ!!朝だから機嫌が好いんだ!沖田隊長まだ起きてないみたいだもんな、そりゃ機嫌好いよなぁ‥‥沖田隊長有難う御座いますぅぅ!!)


「‥‥ああ」
(落ち着け、俺落ち着けよ。まずはどっかで落ち着かねーと顔が緩む!!)


二人はしばしの沈黙の後、ぎこちなく別れた。

その後、


「‥‥‥」

「土方さん。そんなに頭気にしなくても、ズラはズレてませんぜ?」

「誰がズラしてるかァ!!」


土方は時折自分の頭を触りながら、幸せそうに仕事を行った。



そんな、ちょっと平和(!!?)なことから始まる1日。



××後記××
気持ちが浮つきすぎて、あまり近づきたくない人にも接近してしまう。気づいたときには、その人と仲良くなんかしてる自分が居る。
――という私のへたれた部分が有るんですよー。本当は、痛い目を見る前にその人から離れてる筈なんですけどね。
そんで、いざ仲良しな人とは話す気力がなくなってる。なんだこれ。何この気持ち。
(一生へたれてれ)


土方さん良かったね。でも頭までしっかり洗おうね。

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