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銀色世界で二人三脚
かんざしと・・・
※視点なし※

銀時は、お爺さんの『かんざしの持ち主を捜す』という頼みを万事屋として受けた。
今は骨折している新八と、万事屋じゃない進後を残して神楽と捜しに行っている。


(前世が知っている話通りなら、今日中に見つかる。その間まで、何を話してればいいのやら)


だが、そこは気遣いのできる少年。志村新八がお爺さんにかんざしの持ち主がどんな人なのか聞いている。


(ごめんね。年上の自分がリードできなくて)


進後は、鼓動が跳ねて今にも気分がハイになりそうで油断できないでいた。
いつもは戦闘に巻き込まれてどうにかなっていたのだが、前回同様今回も耐える方針だった。


(『今日は戦闘時みたいにならない』って決めてるから。今日は小心者じゃなく、クールに行くぜ!って決めたから)


「初恋の人?」


その言葉は、[畑山進後]にとって何かのスイッチを押すには十分すぎる言葉だった。

なぜなら、進後もまた初恋を引きずりまくって十数年の男だからだ。



「笑ってくれて構わんぞ。こんなジジーが死に際に色気づきおって・・・とな」

「そんなk」
「いいえ。笑いません!分かります。分かりますよその気持ち!!」


新八を遮り、進後がお爺さんの手を両手で握り賛同する。新八には、若干目が据わってるよう見えるのだが幻覚だろうか?


「この歳まで所帯もたんで女のケツばかり追いかけてきたが。何故かな・・・死に際になって思い出すのはあの人の笑顔ばかりでなァ」

「そうですよね!」

「進後さん、さっきからどうしたんですか?何か思い当たる節があるんですか」

「新八君、初恋を大事にして何が悪いんだ。人を愛するのは素敵なこと!時にはその気持ちが己の生きる活力にもなるってもんですよォ!!」

「お前さんとは、いい酒が飲めそう、だな」


「是非とも話し合いたいものです!!」とお爺さんと笑っている進後を見ていた新八。

(進後さんもずっと初恋してるのかな)

疑問が浮かんだが、進後がいつもと違うのを見て聞いてはいけない気がしてくる。結局それは質問できずに話は次に進むことに。


「あれは本当にキレーな人じゃった・・・。いつもかんざし挿してちゃきちゃき働く巷でも評判の娘でのう」


「男どもはあの人目当てに団子屋に通いつめ、みーんなブクブクに肥え太っておったわ。わしもそうしたかったが・・・・。金もないし、なによりウブじゃった。」


「せいぜい物陰からあの人の働く姿見るので精一杯よ」


当時を思い出しているのだろうか。ずいぶんと遠い目をして話すお爺さん。
進後はそれを聞きながら「うんうん」と頷き、新八はそれを横目に見ていた。

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あきゅろす。
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