[携帯モード] [URL送信]

銀色世界で二人三脚
局長の敵と・・・

畑山に出会ってから、もう何度目になるか分からない胸のトキメキを感じる。
(まいったな‥)とドキドキして畑山に思考を向けると、少し様子がおかしい。


「畑山?お前大丈夫か。顔色悪いぞ」


熱かと思って、手を伸ばした。


ゾクッ
(っ!!)

ガシッ

危機感を感じたときには、すでに手首を掴まれていた。

髪の分け目から俺を見る畑山の目は、あの感情のない目をしている。


(コレ、は‥‥)


いま、こうして対峙してコイツの異質さを再確認する。
今まで感じたことの無い、殺気の静けさ。深い闇を宿す目。
まるで、別人だった。

(ああ‥‥なんて目をするんだテメーは!)

そんな目を見ていたくないのに、目が離せなかった。

動けないで居ると、畑山が片手で刀を腰から抜き取り俺の手に握らせる。


「これ、相手に使わせて下さい」

「お前は・・」

「刀が使い物にならなくなっても大丈夫ですから。‥お気をつけて」


手を重ねて俺に刀を強く握らせて、畑山は行ってしまう。




畑山の手の感触の余韻に浸りながら、俺の手にあるアイツの刀を見る。


刀は、侍の魂ともいえる代物。


それを、他人に預けるということは。


(『これで仲直り』ととって良いんだよなァァ!!)


心の中で、『仲直りおめでとう!』のくす玉が割れた。
ありがとう!!



「あらら。本当に仲直りですかい?マジかよ、つまんねー。土方マジつまんねー」

「うるせーよ。待たせて悪かったな。行くぞ」

「へーへー」



その後、見回りの途中で池田屋の時の銀髪に会った。
俺は総悟にも宣言した通りに、銀髪に刀を向ける。


相手に貸すのは、畑山の刀。


勝負は‥‥

刃を折られた俺の負けだった。


折れた俺の刀と刃こぼれした畑山の刀を持って、一服する。



「ワリぃ近藤さん。畑山。俺も負けちまったよ」





××後記××

彼らの中で、勝手に仲直りしやがりましたよー。
見事な一人相撲。同じ土俵はどこにあるんでしょうか・・・。
ツッコミどころがあるんだけど。手の感触の余韻とか普通に喜んでる乙女じゃないか(笑)
「男主の目つきとかどーしたよ」って話ですよね。土方から刀取り上げてやりたい!!

いけねっ!コレじゃあ近藤さんがまた空気だ!!
なんか接点を考えないと、ずっと空気になっちゃう。どうしようこの人。この小説だと扱いにくいような気がしてきた!

実は、沖田の方向は決まっています。すでに動いてたりします。


「下」は全く原作に関係ない話になる予定。

[*前へ][次へ#]

5/9ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!