銀色世界で二人三脚
局長の敵と・・・
(‥っ!やっぱりこうなるのか)
焦る、対処がわからない。
押し込むにしても、それは戦闘するからだ。戦闘しない今、どう対処したものか!?
「おい、畑山?」
(っ?!!)
ハッと気付けば、いつの間にやら副長が自分の数メートル前に近づいていた。
(なっ?!さっきまでかなり離れてたのに!)
「総悟から呼んでたって聞いたが」
(何にも呼んだ覚えないんですが?!)
沖田隊長は、何か『人の都合が悪い瞬間』を感知するドSな能力があるんじゃなかろうか!?なんて最強なんだ!
大変だ!状況について行けない!!
自分は副長にどう返したらいいのかわからない。その上、冷静になりたいのに速く打つ鼓動が自分の焦りを煽ってくる。
(落ち着け、なにか、話を!)
「銀髪の侍を、斬りますか?」
(違うっ!確かに、自分は原作のことで考えてたけどさあ!!あれ、じゃあいいのか?あれ?)
「‥‥ああ。これ以上放っておくとデカいことになる」
殺る気な目がいつも以上に怖い副長に、自分が殺されるんじゃないかと錯覚して顔が青ざめる。
(そうですよね!隊士達の殺気が満ち溢れてますもんね!)
副長達はこのまま見回りに出て、銀時兄さんと遭遇して、
銀時兄さんを斬るんですよね‥‥。
(銀時兄さんを斬る‥‥)
「自分、も」
「あン?」
(いやいやいや、待てまて。自分は何を言おうとしてるんだ?)
銀時兄さんが副長に斬られることは、決まってるんだ。しかも、肩だけだと分かりきってるじゃないか?!
それなのに、いま自分は『連れて行って下さい』と言おうとした。
(馬鹿か。ついて行ってどうするんだ!)
そもそも、自分は深く介入しないと決めていたはずだ。
ドクンドクン、
(ちょ、急かさないで!まとまらないからァァ!!)
「畑山?お前大丈夫か。顔色悪いぞ」
スッと副長が手を伸ばしてきた。
ガシッ
その手首を掴む。
副長が固まってるのをいいことに、片手で自分の刀を腰から抜き取り副長に無理矢理握らせた。
「これ、相手に使わせて下さい」
「お前・・・」
「刀が使い物にならなくなっても大丈夫ですから。‥お気をつけて」
刀を押し付けて、自分は逃げるように部屋に帰った。
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