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銀色世界で二人三脚
戦闘と…

ぎゃあぎゃあと騒がしい。声だったり、刀と刀がぶつかり合う音だったり。
血のにおいで、馬鹿になりそうだ。


いや、それよりも・・・


(怖い怖い怖い怖い!!)


恐怖が俺を支配していた!

情けないとか言わないでくれ!泣いちゃうから!


(うぎゃあ!!今頬掠ったんだけど!?こんにゃろ!)


右へ左へ避けて、避けて。スキをみつけたらソコへ斬りにかかる。


基本『避け』が多い俺の戦い方。怖いからだ。

だけど戦いの中では、迷ったら死ぬ。「人を斬る」とか、そんなこと考える余裕はない。

俺は今精一杯生き抜くために敵らの攻撃を避けていた!!


(だから嫌なんだよ!実戦は!他人から見たら、下手で惨めなんだろうなぁ!!コノヤロウ!)


「ふぬっ!」


「?!畑山っ!」


後ろでよく聞く低い声が聞こえたと思ったら、いつもより瞳孔が開いてる副長だった。



「はあっはぁっ副長?!こんなところに居たんですか・・」


ぅわあ。この人超、余裕顔。
オイオイ、汗かいてねーのかよ!?さすが鬼の副長!!

俺は冷や汗で背中がビチョビチョだよ。張り付いてキモイよー。敵怖いよー。



「お前っなんでココに来た?!」


敵を斬りながら、副長が話しかけてきたが、俺には余裕がない・・・。

ぁ、でも知り合いに会えたからちょっと元気でたかも。

「どうして」と言われてもなー。
どうやら俺が始めに居た所から、ずいぶんと前に進んできてしまったらしい。


「いつのまにか、ぅわっ!ぇと、辿りついてしまいました。くっ・・」


副長は避けながらズバズバと。
俺は避け避け斬る。たまに副長の方を向いてるスキありまくりな奴を斬る。

セコイが、しょうがない。


(あーっ!でもやっぱり怖い!死にそう!だいたいコイツら何?)

別に疲れたワケじゃないが、運悪く副長にぶつかって攻撃を避けきれずに、右腕に浅く斬りつけられる。

(なんでココにいっぱい集合しちゃってるの?ココに来たかったの?っと!?!ぎゃあ!腕がちょっと斬れちゃった!!)


「っ!そうかよ!!」


(ピリピリするぅぅ!!んあ?!副長なにか言いました?なにか会話してました?もう俺は切羽詰っちゃって!!!)

「そうらしいですっこの!」


俺の腕を斬りつけて来た奴の首へ刀をふる。
もう恐怖でどうにかなりそうだ。



「おい畑山。お前これ突っ切ってけ」


副長が突然に死の宣告をしてきた。

(はぁ!?!)

(突っ切れ?)

(このいっぱいいっぱいの状況で突っ切れ?)


敵と刃を交えながら、返答する。

「無理です!」

もちろん、俺の答えはNOだ。

(道が見えません!!切り開けません!!恐怖で!)


「行けっ!」
「行かないっ!」


怒鳴るように副長が言ってきたが、即答させていただく。

(鬼かアンタは!鬼だけどアンタは!死にに逝けってか?!)


「なんでだよっ!行けってんだろ!」


副長が一瞬コチラを見た。
戦闘中の副長は殺気が半端じゃないので、できればコチラを見ないでいただきたい。


(俺には主に勇気と力が足りません!!)

「俺はいま、この場から行く気はっぅお。ない!」

(腕が痛いから、これ以上激しく動きたくないです。ごめんなさい!!)


副長が俺を気にしてチラチラ目をよこすが、俺は怖いのでけして!けして、目は合わせないように敵だけ見る。


(俺には、ココで下っ端を倒すくらいしか力はない!主に避けながらだし!!)

「俺はココで戦いたい」


トンッと背中に何か当たったが、敵だけ見る。誰か俺を落ち着かせて!


斬られた体が熱い。血の臭いが酷い。


でも、自分はまだ死ぬ気は無い!


持久力はあるから、副長だけココを突っ切って制圧していただきたい。


(その方が、絶対速く終わるよ!)

後ろで戦っている副長をチラっと(余裕がない!)見る。

(だってこの人鬼の副長だもの!)


副長は相変わらず力強く刀を振っていた。それを見て、尊敬する。強いなーカッコイイなー。


(今は一緒に居てくれるから、心強いけど)


また避けて、斬りにかかる。


(体力は、まだ持つ。でももう精一杯ですよ!ヤケおこしそうだよ!〜〜〜っ副長!)

「速く終わりませんかね!?」

「チッ・・・・じゃあついて来い!」

副長が一気に団体をなぎ倒しながら走り出した。


「っ?!あ〜〜〜〜ちょっ!」


ついて来いと言われてしまったので、急いで何かを言いながら(自分でも何を発してるのか分からない)副長を追いかける。


副長はどこに何があるのか、この混戦状態でもわかるらしく、迷わず進んでいく。
俺は、今どのへんかなんてわからない。
ココどこ?
というか、俺は本来参加する予定じゃななかったから、内容もよくわからないんだったぜ!


(ちょっ副長速っ!!速いよ待って!置いてくな!!)


これはラストスパートなんだと信じて、必死に副長の背後を守りながら(副長が前だけ見てドンドン進むから!!)駆けた。



・・・。


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