銀色世界で二人三脚
局長の敵と事務長っ! 上
おはようございます。
字はわりと綺麗な方な〔畑山進後〕です。
攘夷戦争に出されてて、ろくに勉学はしてなかったけどね。前世の記憶は偉大です。〔伊達明〕さん素敵です。
今日は早めに真選組に出勤したのだが、なぜか早速仕事を渡された。
なんか、急に張り紙を作らないといけないらしい。
内容を聞けば、
『局長が女を賭けた決闘で汚い手を使われて負けた。張り紙で呼びかけて、敵をとる!』
といったことだ。
他の真選組隊士のように局長に心酔していない自分は、『決闘は怖いな』くらいしか思わない。
しかし、信者な隊士の皆様は大層お怒りで‥‥。
自分は、言われるままに張り紙作りをします。だってみんなの目が怖いから。
実は眠気がまだ残っていて、一枚だけ。
『銀髪さんへ
てめェコノヤロー。すぐに真選組屯所に出頭願います。コラ!
貴方の一族を根絶やしに致します。
真選組より』
と何か下手に出た売り言葉で書き上げてしまったのがある。江戸のどこかに。
すでに数名の隊士が張りに行ったので、自分はもう知りません。どうにでもしてほしい。
できれば、そっと剥がして捨ててほしい。無理だけど。
「あ、局長。おはようございます」
「おはよう!」
すれ違った近藤局長の頬が、凄まじく腫れていた。頬に詰め込んであるんじゃないかって位パンパンに腫れていた。
(あの人よく笑顔で挨拶できるな。痛くないのかな)
ふ、と頭に突っかかりを感じた。
何か、何か思い出せるような。前にこんな事があったような。デジャビュを感じる。
この出来事を、知ってるはずなんだ。
視界に見回りに行くのであろう副長と沖田隊長を捉えて、一つの考えが浮かぶ。
(あ、原作にあった話だ!)
そうかっ!近藤局長は、銀時兄さんと決闘したのか!なるほど、スッキリした。
なら‥‥。
(今日は、副長と銀時兄さんが真剣勝負する話になる、のか?)
ドクンッ
自覚したとたん、心臓が跳ねた。
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