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銀色世界で二人三脚
泥棒猫と・・・

「うおっ。すごっ!」

荷物の量を見た銀時兄さんは、また意外な顔をした。
それに駆け寄った新八君もまた驚いている。驚いてばかりだな。

「新八君、そろそろ目がポロリと落ちちゃうんじゃないですか?」
「コイツには眼鏡があるから」
「眼鏡を何だと思ってんだよ?」

自分の独り言を拾ってもらってしまった。コレ、『実は独り言です』ってバレたら恥ずかしいな。

二人はコソコソ話した後、銀時兄さんが片手を挙げて「ハイハーイ」と言う。教師と生徒みたいだなぁ。

「進後くーん?この何分の何が家の分ですかー?」


(いくつって…全部ですけど)


首を傾げると、新八君が「おそるおそる」と言った感じに挙手した。

「まさか全部なんてこと無いですよね」

そうして、挙手したまま銀時兄さんと新八君は荷物を横目で見ている。


(あれー…遠慮してるの、かな?)


人のことを『秘密バラす』って脅してきたくせに、いざ荷物を前にしてみれば、遠慮してくるのか。
逆にこっちが戸惑ってしまう。

(明さんからは聞いてたけど。子供か。この人等は…)

一人はイイ歳した大人だけどね。


(俺とは、ただの呑み友達なんだ。腹減ってんだろう?遠慮せず頂いて、サヨナラすればいいんだ…)


「はあー」と溜め息をして、銀時兄さんへ顔を向ける。


「全部がそうですよ。脅した相手に遠慮してどうするんです?早く運んで下さい」


降ろされた荷物から米をかついで、階段を上がる。
後ろの二人はまだ立っている。


「それ以上停止していると、自分帰りますけど?」

「ぃいえ!動きます!!」

「銀さんドレから運んでいこうか考えてた所だから。本当に」


全部運びおわり新八君が冷蔵庫に食材を入れて、自分は出されたお茶を飲む。
向かいのソファーに座る銀時兄さんが、頬をかきながら自分を呼んだ。


「お前、あんな量買ってくるかよ?普通さぁー…まぁ助かったわけだけど?」


お礼を言ってるつもりらしい。なんて意地のはった人なんだ!
自分は新八君がこちらに来ないことを確認して、声を抑える。

「銀時兄さんが持ってる『秘密』は、この荷物と同等の価値はあるんですから…。コレでお願いしますよ?」

(攘夷の事は絶対秘密にしないと…)

銀時兄さんは「にやっ」とたちの悪い笑みを浮かべた。


「わぁかってる。オメーさんが『オカマバーの常連客』だってのは、新八だって知らねーさ。誰にせよ言わねーから、安心しろ!」

「……は?」

「いやいや『オカマバー』だよ。オメー、銀さんだって『オカマバー行ってくる』なんて言えなくて、いつも困ってるんだからな」


なにを言ってんだ?はい?

(秘密って、『攘夷』の事じゃないの?『オカマバー』なの?あ、あれ?じゃー、仕事放置して来た、自分の頑張りは……)

バフッ

呆れて、力が抜けた。ソファーに横になる。
疲れだ疲れがそうさせた。


「あれ…どしたの?進後君」


「ちょっと…徹夜したせいです。今とても眠くなりました」


ふて寝したくなりました。







××後記××

よし『第三訓』が序盤で終了っ!こんなやり方でも問題ないさ!スムーズに流れたし!

さて『第四訓』の始まりです。

前回の悔しさから、無理矢理「事務長」の彼を外に連れ出しました!どうよ?この手口!完璧じゃね?

男主人公、新八と対面です。次回に神楽。
ちょっとシリアス入れてみたり。

銀さんと長台詞を言ってます。これは、男主人公なりの友好的な表れです。相手への安心感が有るほど、喋ってくれます。

そうすると山崎には敬語でもないので、結構仲良しと言うことですね。
副長………がんばれ。

さぁ、巻き込まれてしまえ!!

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