銀色世界で二人三脚
泥棒猫と・・・
※畑山サイド※
「っくし!・・・っと」
いきなりのくしゃみ失礼。
自分こと[畑山進後]。
今、大江戸スーパーで買った米やら野菜やらを、バイクに積んでいるところです。
成り行きはこうだ。
まずは、勤務中に携帯に意外な人から電話が入ることから始まった――・・・・・
prrr・・・・・
「電話が・・・っ?!ぎ」
携帯の画面に表示された名前を見て、その名前を言いそうになったのを寸で堪える。いや「ぎ」って言ってるけどね。セーフセーフ!
自分以外に部屋と廊下に人が居ないのを確認してから電話の通話ボタンを押した。
「はい。進後です」
〔やー進後君。少し時間もらってイイ?イイよな答えは聞いてない〕
かけて来たのは、坂田銀時だった。
この人というだけで、嫌な予感がプンプンする。
「自己完結しないで下さい。内容によりますが…」
〔お前の秘密をバラされたくなけりゃ食料もって万事屋に来い〕
ブツッ
ツーツーツーツーツー…
(ただの呑み友達なんですけどぉー)
と、言った成り行きだ。
コレは脅しだと思うんだ。あの人S全開だったし。
嫌な予感もするし、無視して仕事したかった。
が、問題は銀時兄さんが握っている『秘密』だ。たぶん『攘夷』の事なんだろう。
確かに真選組にバレるのは非常にヤバい。切腹させられかねない。
己の身が大事な自分は、仕事場に野暮用で席を外す事を書き置いて出かけることにした。
一応、世間体のことを考えて隊服の上に着流しを着て、財布の有無を確認した後バイクを借りてスーパーへ向かったのだ。
バイクに乗せた荷物が安定しているのを確かめると、万事屋へと走らせる。
(とりあえず、買った量は切り詰めて使って5日いかないくらい……財布に痛いなぁ)
なんか、ノリノリで買ってしまった。ただでさえ、いつも飲み代出してるのに!
(貢いでんの?コレって貢いでるって言うんじゃないの?!)
だとしたら、坂田銀時、恐ろしい男である。
程なくして、一階に『スナックお登勢』二階に『万事屋 銀ちゃん』の看板がある建物が見えたので、スピードを緩める。
(もしかして、今日がキャサリンだったり……帰りたいなぁ)
.
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!