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銀色世界で二人三脚
泥棒猫と・・・

『銀魂』のメイン舞台である『万事屋 銀ちゃん』では、家主である[坂田銀時]が青い顔でゴソゴソと棚をあさっていた。

「あー・・・こりゃヤバイな」

あさっていた手を頭に持っていき、そのままガシガシと乱雑にかく。

ガラガラガラ・・・

「銀さん。なんとかお登勢さんがご飯作ってくれるみたいです」

「おー・・・」


万事屋の玄関を開けて声をかけたのは万事屋で働くメインメンバーの2人目[志村新八]。彼は1階の『スナックお登勢』にご飯を恵んでもらうべく、頼みに行っていた。

銀時は新八に返事をすると、足を投げ出した状態で自分の席に座る。


「こっちは駄目だっ。調味料しか残ってねー」


今、万事屋銀ちゃんは危機的状況にある。

先日から万事屋に住み込みで入ることになった、夜兎族の[神楽]。
彼女は一族がそうなのか、彼女が特別なのかは知らないが、その小さな体に似合わない尋常じゃない量を蓄える。人の何倍も食べる。

その食欲のおかげで、日頃から稼ぎの少ない万事屋は食料がなくなるほど切羽詰っていた。


「かなりヤバイですよ。僕の給料どころか、今月のココの家賃払えるかも怪しいですよ。銀さん」

「家賃どころか光熱費も払えねーよ。天人って全部があんなに食うのか?そこんとこどーよ、お前働いてただろ」

「僕でもあんなに食べる人見たことないですよ銀さん。それより、僕ら食べるものないんですよ?どうするんですか銀さん」

「新八ぃお前『銀さん』が語尾になってんぞ。どうするって言ってもよぉ。仕事がねーんだよ!こねーんだよ!しょーがねーだろが!!」

今まで互いに遠い目をして会話していた二人だったが、ツッコミをきっかけににらみ合いになった。

「しょうがないじゃないでしょう!だいたい、このまえ入ったのはどーしたんですか!?」

「希望の箱に貯金してきたァ!」

「パチンコか?どこだ?何番台に貯金してきたんだこの甲斐性なし!!」

ゼェッゼェ・・・・・


腹から声を出し言い合うが、碌なものを食べていない二人にはソレさえも疲れる要因だった。

「止めましょう。不毛です。ここは落ち着きましょう」

「あぁ、お互い腹へって気が正常じゃねーんだ。ここは落ち着こう」


新八もソファに座り、深呼吸して冷静を取り戻すも、お先真っ暗な現実に青ざめる。


「はぁ・・。でもどうにかなりませんか、銀さん」

「さっきからテメーは『どーする』『どーにか』ってねぇ。世の中甘くねぇんだよ!甘いもんは俺が食いてーよコノヤロー!」

「僕だって、それくらい十分知ってますよ。なんか・・・報酬が少なくても仕事を紹介してくれそうな人とか、いないんですか?甘い砂糖でも舐めてて下さい」

まだ年若い新八が頼る目で銀時を見るため、「う〜ん」と銀時は頭をひねる。

「頼みますよ。アンタ週一は必ず誰かと『大人の付き合い』って言って呑みに行くくらいなんですから、一人くらいいるでしょう。いなかったら殴るかんな!」

語尾がまた荒れてきたが、その新八の台詞に銀時は声を上げた。

「あーーっ!それだ新八!」

「ぇえっ!え??」

銀時は椅子に深く座り込んでいた体を起こすと、机の引き出しを探し始めた。やがて、その手に紙を持った銀時は電話へと向かう。

その行動が『良い方』だと分かった新八は、笑顔になる。

「もしかして、居ましたか!?」

「居た居た。俺にまかしとけ、大人の付き合いを見せてやる!」


銀時は誰かに一言二言電話した後、二人で下に居る神楽の所へと向かった。

「あとは待つ。飯も仕事もコレで大丈夫だ!」

「ご飯もですかっ?!よかった〜。急なのにすぐ来てくれるなんて。銀さん、その人には何て連絡したんですか?」

銀時への尊敬と「お礼を言わなきゃ」という感情の新八が銀時から聞いたのは、尊敬できるものではなかった。


「あ?『お前の秘密をバラされたくなけりゃ食料もって万事屋に来い』って頼んだらすぐOKしてくれたぜ」


新八は口の端を「ヒクッ」とさせた後、銀時を階段から蹴り落とした。


「テメェ頼んでねーじゃねーかっ!ソレ“脅し”っつーんだよォォ!!有無言えねーんだよ!!あーーもうっ!その人が来たら土下座して謝れよ!」



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あきゅろす。
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