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銀色世界で二人三脚
手作り弁当と… 下
視点が複数変わります。


※畑山サイド※

いま自分は、『勝手に土方副長個人のマヨネーズを使った』罰を、『自分の手作り弁当をわたす』条件で許してもらう事になった。

弁当を亡くした自分は、お昼をどうすればいいのか!?


「畑山。飯は食堂のを食え。…『飯抜き』とは言ってねーからな」

「副長ありがとうございます!」
(やったー!!マシなものが食べれる!どー考えたって、マヨネーズまみれは体に悪いからなぁ・・・)




※殴られた隊士サイド※


突然、副長のマヨネーズが消えた。
オレは、『また沖田隊長が持ち出した』んじゃねーかと思ったんだが、犯人は事務長ときたもんだ!


(ヒデーぜ事務長っ!テメーのせいで殴られ損じゃねーか!!)
そう思ったが、それはそれ。

副長と事務長がそろったなら、オレも含む“一部の隊士”がする事は一つ!


(((((副長ッ!チャンスだァァァ!!!!)))))


副長の恋を後押しする事よ!!

まずは、事務長の笑顔に流されそうなった副長を、オレ達殴られ損が抗議することで軌道修正した。
だがそのときに、一人が声に出して応援したために副長に蹴られて吹っ飛んだ。

オレは事務長がこの会話から副長について感づくかと焦ったが、その事務長は…

(なんか、スゲーキラキラした目で副長を見てる!?)

この状況で何なんだと思ったが、ボソッと事務長から聞こえた言葉で理解した。


「コレが鬼の…、…いいな」


全部は聞き取れなかったが、つまりは副長の蹴りを見ていたんだろう。
そんで、副長の強さを再確認したみたいだな。


(あんだけ目をキラキラさせて見てるんだ。悪い印象なワケがねぇ!結果オーライ!良い働きだったぜっ!!)


「ん?畑山お前なにをぶつぶつ言ってんだ?」

「何でもないですよ。あははは。それで副長。自分は何をすれば良いですか?」


「ああ。お前に与える罰は…」


この時、オレ達は『トイレ掃除1ヶ月とかだったら、後で反省会だ!』と思っていたのだが、副長からのお言葉は素晴らしかった!


「お前の弁当・・・・食わせろ」


だがまだ喜べねぇ、事務長の反応も…

「はい。どうぞ」


(((((やったぜ副長ォォ!!アンタやってくれると信じてたァァ!)))))


事務長は嫌がる様子もなく、二つ返事で了承した。
この展開を誰が予想できただろうか?もう奇跡だっ!
オレ達一部の隊士は、それぞれでガッツポーズをした。



その後、事務長の弁当を受け取った副長は事務長に食堂で飯をとるように言うと、事務長は飯を取りに行った。


副長は手渡された弁当をじっと見て硬直してた。照れてんだかしらねぇが、オレ達は見ちゃいられねぇ!

「副長なにを停止してんですか?」

「お、おう」

副長の背を押して席へと座らせる。案の定、副長はガチガチに緊張していた。

「ほらほら座って!で、弁当を開けて下さいよー!」

「オレ達も、事務長の手作り弁当が気になるんスから」

「あの事務長だから、きっと女の子がつくったみてーに美味いんだろーな?はははっ!」


オレ達が早く早くと言えば、副長は『お前ら近いんだよ!』と言いながら、弁当を開けて見せてくれた。


カパ

「「「「…………」」」」
「…黄色くね?」



開けた弁当の中身は、一面が黄色く覆われていた。
中で唯一黄色いので覆われていないのは、卵焼きだとわかる。
それに、この匂いは…?


「マヨネーズがかかってんのか?…そう言えば、マヨネーズを弁当に使うって言ってたな」

気づいたのは、副長だった。

「あ、最初に言ってましたね」

「これ一面マヨネーズかよ…どっかのマヨラーを思い出すぜ」
「テメェ俺って言いたいのか?マヨネーズ馬鹿にすんじゃねーよ斬るぞ」


一人がマヨネーズの量から、マヨラーの副長を連想したらしい。オレも思ったぜ!


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